斜めから生まれる空間を活かした「デュオヒルズ西春」
【フージャースの建築めぐり】建築担当の裏話編

「フージャースの建築めぐり」シリーズの「建築担当の裏話編」では、作り手の思いや苦労した点など、広告やパンフレットでは知ることができないエピソードを紹介します。
フージャースのモノづくりに対するこだわりを感じていただけるかと思います。
魅力的な住まいをつくる配置とデザイン

「デュオヒルズ西春」は、駅近で都心へのアクセスも良いマンションです。敷地を最大限生かす配置と、それによって生まれた空間のデザインにこだわりました。そのポイントを物件担当者が語ります。

建築担当者の紹介
フージャースコーポレーション
河野 裕宜(こうの ひろき)
さまざまな課題がありましたが、一つ一つ解決し、細かいところまでとことんこだわりました。
空間を生かす配置

今回、建物の配置についてはさまざまなパターンを検討し、最終的には現在の敷地に対して斜めの配置にしました。真っ直ぐに建てると南向きになる利点はありますが、周りの空間をうまく活用できず、景色や車の動線も良いとは言えません。斜めにすることで角にゆとりのある空間ができるので、そこに庭を作ったり、駐車場を作ったり、活用の仕方によって魅力あるものにできます。また、建物を建てられない南側の接道面は、奥行きのある長いアプローチにすることで、ゆとりがあり心地よい雰囲気を出せるのではと考えました。
街の景観として目立つ建物が斜めに立っているのはどうか、ということにも気を配り、この点は、建物の仕上げや形状を工夫することで解決しています。
細部にまでこだわったデザイン
西春は名古屋に10分ほどで出られるアクセスの良い場所ですが、中心地から少し離れると田んぼが広がっているような、懐かしい雰囲気の街です。周りに高いマンションがあまりなく、電車からも良く見えるこの物件がこの街のシンボルになるだろうと思いました。ここに住む方は、落ち着いた街の雰囲気に愛着を感じつつ、普段は都会で働いている方をイメージしています。そういった方には、街が持つ懐かしさや気持ちよい空気感に、周辺と一味違う名古屋の都会感やモダンさを兼ね備えた住まいが求められるのではないかと考えました。
懐かしくも、キラリと光るシンボル的な住まいになるようメリハリをつけ、ありきたりではないけど馴染みやすい建物にしたいと思いました。全体的には、温かみのあるグレージュ色をベースに、シャープでスタイリッシュな雰囲気が薫るように意識し、白や黒の線が際立つよう細部の形状や寸法にも製作図を何度もチェックしてこだわりました。

建物の顔となるエントランスには大きなゲートを設え、格のある門構えを作り込みました。庇や壁の黒い金物のラインを見せることでシャープさや色のメリハリを出し、モダンな高級感も演出しています。

外観は、バルコニーのラインが折れ曲がっていたり、斜めになっていたりすることがわかると思います。そうしてできた雁行をうまく全体の印象に活用して、細くすっきりした白い線が連続するようなデザインにしています。スラブ※を少しでも細く見せるため、10cmくらいの段をつけて、白いラインが強調される形状にしました。また、上層のバルコニーのガラスは青みのある軽やかな透明ガラスにすることで、都会感が出るように工夫しています。
※スラブ:マンションの床を支える板状のコンクリート
箱から眺めるこだわりの庭

建物を斜めに配置することで、奥行きのある中庭を設けることができました。この形状を生かせるよう、ラウンジはこれまでにないようなデザインにしています。周りの壁とは素材を変え、まるで箱が突き刺さっているような形にしました。その箱の中にくつろげる空間を作るため、箱の中の壁と天井に傾斜をつけ、広く見えるように工夫をしています。外観やアプローチと統一されたモダンな印象を出すため、箱を金物で囲み、シャープでエッジの立つデザインにしました。椅子は白いモルタルと木材が合わさったような特殊な組み合わせで、ハイセンスな印象の家具を選んでいます。

ラウンジから見える中庭にもこだわりました。木は細いシュッとした樹種を直接目で見て選び、シャープで現代的な雰囲気を出しています。ここでもモダンな雰囲気は持たせながら懐かしさのある街の雰囲気も取り入れたいと思い、植栽はふんだんに植え、R形状の石やコンクリートの壁で柔らかさを出しました。

ラウンジ以外の共用部も、限られた空間の中で少しでも印象が良くなるように工夫をしています。日々の動線の中でいろいろな風景や印象が垣間見えるように、エントランスから風除室の壁は細い黒い金物のラインと間接照明の使い方を工夫して、一つに繋がった空間のように見せています。
快適な暮らしために

共有部だけでなく、居室にもより快適な暮らしをしていただくための工夫をしています。その一つが「プレストレージ」の設置です。プレストレージとは玄関のすぐ脇に設けた空間で、コートやキャンプ用品など、家の中には持ち込みたくないものの収納に役立ちます。

皆さんの声から生まれた「Arauラック」も導入しました。Arauラックは洗濯の悩みを解決するスペースで、「干す」「畳む」の作業が効率よくできます。
モノづくりにとことんこだわる
内覧会に来られたお客様からは特にデザインを褒めていただきました。「外観もきれいで、アプローチがホテルみたい」「ラウンジがおしゃれ」と仰っていただいたのでうれしかったです。「建物も部屋もきれいに作ってくれてありがとうございます」との声も何人かから聞かれたのもとてもうれしく、印象に残っています。
より良い住まいとなるように細かいことまでこだわり抜いたと自負していますし、その点をお客様からも評価いただいたので、今後もモノづくりにとことんこだわる姿勢を続けたいです。

デュオヒルズ西春
https://www.hoo-sumai.com/duohills/nishiharu/
所在地:愛知県北名古屋市鹿田海道西
交通:名鉄犬山線「西春」駅より徒歩4分
総戸数:36戸
階数:13階建て
竣工:2025年2月