ラクダとロバの話

今回は中国の古い物語を紹介します。
あるところに一頭のロバがいました。ロバは長い間の夢であった「死の大砂漠」の横断にチャレンジしようと思います。そこで砂漠を横断してきた長老のラクダに聞きに行きました。
「この砂漠を横断するための秘策を教えてください」。
すると長老のラクダは答えました。
「目的に向かって、一歩ずつ進めば良い。そうしたら必ずつく」。
あまりの簡単な言葉に少し驚きながらロバは聞き返しました。
「もう少し、いいアイデアや秘策はないのですか」。
するとラクダは、こう言いました。
「他には何もない。ただ歩けば良い。目的に向かって、一心に歩くのだ。どんな誘惑にも負けず、困難に遭遇しようとも歩くのだ」。
ここには目的を成功させるための教えが書かれています。ここで書かれている誘惑や困難とは、人と話したり、休んだりすることで、現代で言えば、プロジェクトの途中で悩んだり、やめたり、方向を変えることをいうのかもしれません。
歩けば辿り着く。しかし歩かなければ、進まないのです。歩くためには忍耐力や強い意志が必要なことはいうまでもありません。諦めようと思ったり、立ち止まった時に背中を押してあげるのも、同僚や上司の大切な役割かもしれません。
今まで、計画を立てることに時間をかけてきました。そして、どうしたらそれが実現できるのかを考えたのです。こうした考えが間違っていたとは言えません。確かなことがわかっていた時代はそれで良かったのです。それは、答えのある問いへの深さを増すために必要だったのでしょう。しかし答えのない時代を歩いている今、まずはやってみる、行動を起こしてみる、そしてやり続ける、そのことに大きな改革の一歩がありそうです。遠くの結果を考えるのでなく、目の前のことをやっていく、そのことで必ず辿り着くことはできるのだと。
やるから進む、やらないと進まない。当たり前のようで耳の痛い話かもしれません。
みなさんは、どう思いますか。