「DOMA」で楽しむ「デュオヒルズ川口元郷EST」にしかない暮らし
【フージャースの建築めぐり】建築担当の裏話編

「フージャースの建築めぐり」シリーズの「建築担当の裏話編」では、作り手の思いや苦労した点など、広告やパンフレットでは知ることができないエピソードを紹介します。
フージャースのモノづくりに対するこだわりを感じていただけるかと思います。

制限を感じさせないモノづくり
「デュオヒルズ川口元郷EST」は、生活の利便性と緑を感じられる環境の両方が備わったエリアに建つマンションです。立地は良いものの、土地の形状などからさまざまな制約がありました。いかにして制約を感じさせない住まいを作ったのか、モノづくりのポイントを物件担当者が語ります。

担当者の紹介
フージャースコーポレーション
建築本部 奥村 優充子(おくむら ゆみこ)
モノづくりをする上でいくつもの配慮すべき点があり、通常のマンションとはまた違った苦労がありました。その制約を感じさせず、ここでの暮らしを最大限楽しんでいただける住まいになるようさまざまな工夫をしています。
「好き」を謳歌できる「DOMA」
デュオヒルズ川口元郷ESTは、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線「川口元郷駅」から徒歩3分と駅近で、JR川口駅へも自転車で9分と程近いところに位置しています。周りは閑静な住宅街で、少し足を伸ばしたところには芝川河川敷があります。都心へのアクセスが良く、川や公園といった豊かな自然環境を存分に享受できることが大きな魅力です。この魅力を生かして自然環境を取り入れた住まいにしたいと考え、「『celebrate one‘s love 』~好きを謳歌する~」をコンセプトに、それぞれが持つ「好きなこと」を楽しむ暮らしをより豊かにするモノづくりを目指しました。

計画段階はまだコロナ禍の影響もあった時期だったため、家の中の趣味も河川敷など外での趣味もどちらも楽しめる間取りにしたいと考えて作ったのが、2LDK全戸に設けた「DOMA」スペースです。建築費高騰に伴い狭小ファミリーが増えていく中で、趣味や暮らしをより豊かにできる新しい生活提案として、玄関に土間スペースを設け、他にはない自分だけの特別な空間を過ごしていただけるよう考えました。

実際に購入された方のアンケートでは、サイクリングやキャンプの趣味を楽しめるスペースや、ペットスペース、雑貨や植物をディスプレイしたカフェ風スペースとしての暮らしを想像し、購入された方が多くみられました。複数のコンセプトによる暮らしの提案を行うことで、居住後の自分だけの特別な空間をより想像していただくことができ、ご評価いただけたと思います。
高低差のある土地への挑戦

今回の事業において一番大変だったことは、敷地内高低差の処理です。本敷地は奥に行けば行くほど道路から下がっていく土地で、最も高いところと低いところでは1m以上の差がありました。この高低差を設計·工事上のデザインやコスト、お客様にとっての暮らしやすさに影響させないこと、が最大の課題となりました。
結果、計画時より、行政と幾度となく打ち合わせを行いながら、㎜単位の細かい計算のもと、高低差を無くすため大規模な開発工事にならない敷地レベルを模索し、スロープを設けるなどの工夫によって建物の配置やデザインなどが制約されることなく、また大きなコストをかけての大規模な工事を回避することが出来ました。お客様のためにという強い想いと、関係者の協力の元、無事成し遂げることができました。
制約を感じさせないデザイン

本物件は住宅街らしい温かさと、開発が進む川口元郷らしいモダンさを取り入れたデザインを目指しました。住宅街に位置することで、天空率や日影制限といった建築制限により建物形状がいびつになってしまう中で、その制限すらもデザインに見えるよう工夫を行いました。
メインとなるバルコニー側の外観デザインは、シンプルで洗練されたデザインを心掛けつつ、モダンなデザインとしました。単調にならないように温かみのあるホワイト調のマリオン※1をランダムに配置し、マリオンの中心に黒の細い線を入れることで、重すぎないシャープな印象としました。また最上階の庇と併せて、マリオン側面に木目調塗装を取り入れることで、建物全体に温かみを感じられるよう工夫をしています。

特に制限が厳しかったのは、駐車場側に面する裏側の外観になります。普通の建物は四角い建物形状ですが、建築制限があり駅から見える角の部分は四角く角を出せず、切り取って面としなければなりませんでした。建物の一部が斜めの面となるので、目立たないよう他の外壁面と同じく吹付塗装にすることも考えましたが、その箇所は駅から見えるコーナー部でもあったため、あえてエレベーターシャフトと併せてリブを設けるデザインとしました。駅から降りた際に見える2か所のリブのデザインにより、駅からの存在感のある建物として高くご評価いただくことができました。
また、室内においても、斜めのところをデッドスペースとならないよう間取りを調整し、空間を最大限生かすよう工夫を行いました。
※1 マリオン:建物の開口部に設ける垂直な部材
街とのつながりを感じるエントランス

この土地は、元は古い工場の跡地で、夜になると真っ暗で少し怖いと感じてしまうような場所でした。近隣の方にも温かみを感じてもらい、このマンションができて良かったと思っていただきたく、1階住戸の前面には道路に沿って植栽を連続させるように配置し照明を多く設けました。

アプローチにおいても明かりが漏れ街を照らすデザインとしながらも、居住者様に特別感を感じていただくようなデザインとしました。外から中に連続するデザイン壁により、中にどんどん引き込まれていくような印象を持たせ、一方でエントランスホールは外から見えないようにすることで、特別感を演出しました。

エントランスホールには、川口元郷が鋳物で有名な街だったという歴史を取り入れ、鋳物風のデザイン壁を設けました。その土地の歴史をデザインに取り入れ、特別感と街とのつながりを表現しています。

自転車を持って出入りできるサブエントランスには、好きを謳歌している居住者同士のつながりや交流が生まれるようベンチを設けました。
この土地だから生まれた住まい
街·人とのつながりを各デザインに取り込むよう意識し、フージャースらしい「この土地だからこそ生まれた住まい」を、入居者にご評価いただき嬉しく思います。
土地も建物もいろいろな制約のある中でのモノづくりとなりましたが、今まで積み重ねてきた弊社の経験や知識を基に、さまざまな工夫をすることで「ここにしかない暮らし」につながる住まいが作れたと思います。

デュオヒルズ川口元郷EST
※こちらの物件は完売しました
所在地:埼玉県川口市元郷
交通:埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線「川口元郷」駅より徒歩3分
総戸数:39戸
階数:10階建て
竣工:2025年1月