いわき駅前並木の杜街びらきイベント開催
「駅前再開発」から始める新たな街づくり

開催日:2025年4月12日(土)
場所:いわき駅前

いわき市におけるフージャースの4棟目の開発は、「ミッドタワーいわき(2024年11月竣工、216戸(地権者住戸含む)、21階建て)」。
商業棟「63 Roku-San PLAZA (63プラザ)」、駐車場棟、2つの広場、並木道が続く「並木通り」を含む“並木の杜シティ”の大規模複合再開発です。
駅前再開発の一端を担うということで、通常のマンション計画だけではなく、建物・遊歩道・広場といった再開発区域全体でのつながり、そこから生まれる人と人とのつながりなど、デザインやハードを通して住む人だけでなく、地域ともつながれるモノづくりを目指しました 。建築担当のモノづくりのこだわりは、欲しかった暮らしラボの「駅前再開発ならではのモノづくり 街と人とつながる『ミッドタワーいわき』」(2025年4月25日掲載)で紹介しています。
今回、建物と遊歩道や広場が一体となった並木の杜シティで、「新しい街をみんなで歩こう!」というメッセージを掲げ、街びらきイベントを開催しました。 そのイベントの様子を紹介します。



街を盛り上げる3イベントを同時開催

駅前の再開発エリアは「並木の杜シティ」と名付けられ、住宅棟の「ミッドタワーいわき」、商業棟の「63 プラザ」、駐車場棟の3つの建物及び、並木広場、もみの木広場の2つの広場と、同時に開発した並木通り(プロムナード)からなります。

この並木の杜エリア全体を使って街びらきイベントを計画していたところ、「たいらほこみち」と「サンシャインマルシェ」という2つのイベントも同時に開催することになり、「いわき駅前フェスティバル」と称して駅前の大通りを含む一帯を使った大規模なイベントにすることができました。

当日は、「新しい街をみんなで歩こう!」と称して3つのイベント会場を歩くスタンプラリーと抽選会を行いました。全会場を歩くとけっこう距離があるのですが、たくさんの方が参加してくださり、それぞれのイベントを目当てに来た方が他のイベントにも足を運んでくれるなど相乗効果も得られました。

左:たいらほこみち 右:サンシャインマルシェ

「たいらほこみち」は、2025年2月にいわき駅前大通りが歩道の有効活用を可能とする制度に認定されたことを受けてのイベントで、4月頃の開催を考えていたそうです。当初我々のイベントは3月末の開催も考えていましたが、地元の方にお声がけいただき、4月に同時に開催することにしました。

「サンシャインマルシェ」は当社も以前から協賛し、いわき駅前の広場で年に3回ほど開催していたイベントです。2月に開催をしたばかりでしたが、せっかくなので同時に催すことにしました。

今回3つのイベントがひとつにまとまったのは、いわき市とそこに住む方々が「中心市街地活性化」という目的のために動いていたからです。いわき市は人口30万人超の大きな市ですが、人や商業が郊外に流れるという中心地の空洞化が課題となっています。他の地方都市でも問題になっていることですが、郊外にばかり人が住んでいるとインフラ整備が行き届かないなどの問題が生じるため、中心地に人を戻し活性化させることが必要とされています。私たちもただマンションを作って住民を増やすというだけでなく、中心地に人を呼び戻すことまで考えた建物・空間作りをする必要がありました。
同時開催した2つのイベントも、いわき駅前の良い未来のためにそれぞれ活動されていたので、同じ目的に向かって動くことができたと感じています。

 

並木の杜シティ街びらきイベント

当日は、「いわきにこんなに人がいるのは初めて見ました」と話す方もいたほど盛況なイベントとなりました。イベントの開催にあたって私たちにはもうひとつ重要な目的がありました。それは私たちが用意したハードを地元の方々に使ってもらい、今後もこうしたイベントなどで活用してもらうことです。
私たちは住宅や再開発を計画する際、それぞれの空間をどんな時にどんなふうに使って欲しいかを意図したモノづくりをしています。日常的に歩いたり集ったりするときもあれば、イベントを行って人が集まることを想定した空間もあります。今回はそうした空間をどのように使うのか、使用する際はどこに申し込みをしたらいいのかということを実際にやってみて、地元で活動されている方々に知ってもらうというチュートリアル的な役割を担うイベントとして位置付けていました。

今後のことも考え、あくまで街の皆さんが作る場・楽しむ場として開催したかったので、例えばステージを飾るバルーンはいわきで活動するバルーン作家さんに頼むなど、必要なものは地元で活動する方や業者にお願いしています。

バルーンで彩られた商業棟に隣接する「もみの木広場」は、「ハレの舞台」となる空間を目指して、芝生とステージにもなる大きな緑台を設けた空間です。ステージではいわきを象徴するフラダンスや伝統芸能「じゃんがら念仏踊」、ダンスやバンド演奏などが披露され、ハレの日を盛り上げました。

マルシェなどイベント開催を視野に入れたモノづくりをした住居棟・商業棟の間の「並木広場」は、金魚すくいやスタンプラリーの抽選会場として活用。家族で来られる方も多く、楽しそうなお子さんの姿が見られました。

並木広場と商業棟の間に作った道路は封鎖して歩行者天国にすることができたので、キッチンカーブースとして利用しました。

マンション敷地内の5mと歩道の5mを合わせた、約10mの一帯デザインにチャレンジした開発区域前の「プロムナード」には、飲食や雑貨の店が並びました。

商業棟の「63プラザ」1階には、地元のクリエイターたちが集まり、さまざまな雑貨を販売しました。

本一帯開発を計画した際に、今後使えたらいいなと思っていたイベントスペースを全て使ってイベントをすることができ、それぞれの建築意図に沿った使い方もできたと感じています。
今回のイベント開催にあたり、約70の団体が集まってくださいました。先述したように皆さんの街を良くしたいという想いと、私たちが動き始めた4年前からのご縁がさまざまな形でつながって実現したものです。

 

この先も継承されるために

来場いただいた方からは、「何もなかったのに、街がきれいにできていて驚きました」「今まで歩道がなかったので、初めてここまで歩きました」「いわきに生まれて良かった」といった言葉が聞かれたので、とてもうれしく思っています。
今回は初のイベントとして私たちが主導して開催しましたが、今後の開催を見据え、参加いただいた団体にはイベント後に御礼と併せて広場の申し込み方法や使い方をお伝えしています。今後いわきの皆さんが私たちの作った場所を使ってイベントを開催し、駅前に人が集い、賑わいが生まれていくことを願っています。