「絶景」と共に暮らす
「デュオヒルズ出島水辺の森」

【フージャースの建築めぐり】建築担当の裏話編

「フージャースの建築めぐり」シリーズの「建築担当の裏話編」では、作り手の思いや苦労した点など、広告やパンフレットでは知ることができないエピソードを紹介します。
フージャースのモノづくりに対するこだわりを感じていただけるかと思います。

 

長崎の「絶景」の一部になる住まい

「デュオヒルズ出島水辺の森」は、長崎のシンボル的な公園「長崎水辺の森公園」の最前席に位置するマンションです。目の前に広がる絶景を目一杯楽しめる住まいにすることと、マンション自体がその絶景の一部となるような、この場所だからこそのモノづくりをしました。そのポイントを物件担当者が語ります。

建築担当者の紹介
フージャースコーポレーション
建築本部(所属先は取材時点)
山下 愛子(やました あいこ)

長崎の絶景を味わえる専有部のデザインと、その絶景の一部となるような外観にこだわりました。



水辺を身近に感じられる室内と、この場所にふさわしい外観

「デュオヒルズ出島水辺の森」の目の前には、長崎港につながる運河が流れ、すぐ近くには「長崎水辺の森公園」があります。2004年3月に開園した公園で、多くの方が憩いの場として利用する水と緑が豊かな公園です。
本物件の建設地は、​​元々はマンションなどの共同住宅の建築が制限されていましたが、地区計画の変更から区分変更が行われてマンションの建設が可能となった場所です。
そんな貴重な場所でどんなモノづくりをしようかと考えた結果、「絶景」をテーマにすることに決めました。目の前に広がる長崎の絶景を存分に味わえるようにすることはもちろん、その絶景の一部となるのにふさわしい外観を考えました。

当初は長崎港側を全面バルコニーにする計画を立てていましたが、室内からでも水辺を身近に感じていただきたいと思い、バルコニーをなるべく少なくして、足元から天井までガラス張りのダイレクトウィンドウを採用することにしました。水辺に佇む軽やかな周辺の景観に合うように、一般的なマンションらしくない外観にしたいという意図もあります。
こうした造りは今まであまり取り組んだことがなかったので、さまざまな事例を調べて、構造面や管理面の懸念をクリアしていきました。
その結果、室内から直接運河を見ることができるここでしか得られない美しい景色を、最大限享受できる住まいが作れたと思っています。7月末に行われる「ながさきみなとまつり」の日には、快適な室内から花火を楽しむことができます。内覧会に来ていただいたお客様からこの景色に感動される声も伺えたので、こだわって良かったと思いました。

もう一つ苦労したのが、外観を左右対称にすることです。2〜7階、8〜13階、最上階の14階で部屋のプランが変わるため、外観をキレイに整えるのが難しかったのですが、目の前の水辺に反射した時の美しさにもこだわりたかったので、左右対称となるよう調整を重ねました。併せて、「鶴の港」と讃えられる美しい長崎港と帆船から着想を得て、鶴が翼を広げて海に向かっていく姿や帆船の帆の重なりをイメージさせるようなカラーやデザインにしています。

 

長崎の風景を取り入れて

アプローチとラウンジは、この場所に建つマンションにふさわしいラグジュアリーな空間を目指しつつ、各所に長崎の風景を取り入れることを意識しました。
運河沿いに11mほどの長いアプローチを設け、目の前の緑豊かな公園に呼応する形で、両脇に緑をふんだんに植え、奥へと誘うようなデザインにしています。アプローチ横の化粧塀は長崎の坂をイメージして斜めにカットした御影石のデザインを取り入れています。足元には長崎に多く見られる石畳を想起する色味と形状のインターロッキングを採用しました。

ラウンジにも長崎の景色を取り入れるため、天井にステンレスの鏡面パネル(水面パネル)を設置して、運河の水面が映るものにしました。水位が高い時間帯は、水面がキラキラとゆらめく様子が天井に映し出され、水面に囲まれたような感覚を得られます。

壁の棚にはランダムに照明を入れました。多様な文化の影響を受けてきた長崎ならではの「和華蘭(わからん)文化」から着想を得たもので、中国のランタンの風景を照明の配置で表現しています。

建物内にもワンポイントとしてオランダの教会のステンドグラスを思わせるような階数表示のアートを取り入れました。部屋に入るまで長崎の風景を感じていただけたらと思っています。

 

5つの季節を楽しむ植栽

物件の目の前にある長崎水辺の森公園は、海沿いに人が憩える空間をデザインすることを目的とした長崎港地区の「環長崎港地域アーバンデザインシステム」に沿って計画された空間の一つです。園内の植栽の計画もその構想に基づいており、春夏秋冬にゴールデンウィークを加えた5つの季節を考えたものになっています。
その考えに共感し、本物件の植栽も5つのどの季節でも楽しめる樹種を選びました。それぞれの時期に咲く花を調べるのはもちろん、その中で長崎県の平戸に古くから咲くヒラドツツジや水辺に咲くサキシマフヨウ。県花となっているヤブツバキ、クマノツツジなど、長崎にゆかりのある花を取り入れることにもこだわりました。住む方の暮らしに潤いを与えるものであると同時に、1週間に一度は海外からの船が来て外国人が多く行き来する場所のため、観光の方を迎え入れる場であることを意識した植栽の計画をしています。

本物件で採用している樹種の一覧


この地に暮らしたいを叶える住まい

購入された方からは「景色の良さで選んだ」「想像以上だった」という声が聞かれました。長崎愛の強い方が多いという印象で、中には公園の計画に何十年と関わってきたという方もおり、「自分が育ててきた子供と過ごしているような感覚がある」と仰っていただけました。定年退職後のために先に購入しておこうという東京に住んでいる方もいらっしゃったり、皆さんのこの場所に住みたいという気持ちが伝わってきました。ここまで土地に愛着を感じて選んでいただける物件は中々ないですし、そういった方々に「ここに住みたい」と思って選んでいただけたことがとても嬉しいです。

長崎の夜景スポットの一つである鍋冠山に行ってみると、本物件がキレイな夜景の中央に見ることができます。今回、景観条例をクリアする条件の中に「山からの夜景の見え方」も審査基準となっていたため、そこも意識しデザインを考え抜いた結果、100万ドルの夜景の一部になることができたと感じ、とても感慨深かったです。
これからもその場所ならではの魅力を存分に生かした、「あなただけの、ここにしかない暮らしを」実現する住まい作りをしていきたいと思います。

 

デュオヒルズ出島水辺の森
https://www.hoo-sumai.com/duohills/nagasaki-dejima/

所在地:長崎県長崎市梅香崎町
交通:長崎電気軌道「メディカルセンター」電停より徒歩1分、長崎電気軌道「出島」電停より徒歩5分
総戸数:44戸
階数:14階建て
竣工:2025年2月