グッドデザイン賞受賞 街に居場所とにぎわいを生んだ「ミッドタワーいわき 並木の杜シティ」

フージャースグループは、「ミッドタワーいわき 並木の杜シティ」と「デュオヒルズ伏見」の2プロジェクトにおいて、公益財団法人日本デザイン振興会主催の2025年度グッドデザイン賞を受賞しました。
今回は「ミッドタワーいわき 並木の杜シティ」がどのような点で評価され、受賞に至ったのかを、審査委員の評価コメントとともに紹介します。
審査委員の評価コメント
「ミッドタワーいわき」は、JRいわき駅前一帯の再開発事業の一つとして建設されたマンションです。本プロジェクトで評価されたのは、建物単体の完成度だけではなく、外構を含めた空間全体が街とどのような関係を築いているかという点にあります。審査委員からは、以下のコメントをいただきました。
<審査委員 評価コメント>
”外構のデザインが内部空間と響き合い、ここに住む人々の活動を街に広げていく様子が評価された。多くのマンションでは「足元まわり」の外構デザインは付け足し的な飾りでしかなく、防御的な視点からなされるために内部空間と連携したデザインは稀である。ここではエントランスと並んでカフェなどを配置しながら、街と親和的な状態を一体的に創出している。加えて、駅前の歩行者空間を延長して、街全体のウォーカビリティーを向上させている点も見逃せない。官民連携の効果が今後も持続していくことを期待したい。”
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敷地境界を感じさせない、街とつながるデザイン

本物件で特に注目を集めたのが、マンション敷地と国道歩道を一体化させた、幅約10mのパブリックスペース「並木テラス」です。再開発事業において、一般の人々が自由に通行・利用できる公開空地を設ける例は少なくありません。しかし、その多くの外構は防犯や境界を意識して付け足したような空間になりがちです。本プロジェクトでは、官民が密に連携することで、公道と敷地の境界を意識させないシームレスなデザインを実現しました。公道と敷地の境界を感じさせないシームレスなデザインが、街の一部として自然に人が行き交う、開かれた空間を生み出しています。
交流が生まれる「居場所」のある歩道

並木テラスは、単なる通路ではなく「立ち止まって過ごせる場所」として設計されています。動線に沿ってベンチやテーブルを点在させ、「おしゃべりテラス」や「縁側テラス」など、人々の活動を促す多様なスポットを複数設けました。こうしたストリートファニチャー(街の家具)の配置も、街に新たな居場所を創出した工夫として評価されたポイントです。散歩の途中に腰を下ろしたり、買い物帰りに一息ついたり、放課後の学生がおしゃべりを楽しんだり、街の人々が日常の中で気軽に利用できる場になっています。
入居者と街の人の日常的な交流機会の創出

マンションのエントランス前に設けた「並木広場」は、日常的には街の人々の休憩や子どもの遊び場として、イベント時には前面道路と一体的に活用し、マルシェやファーマーズマーケットの会場となるなど、日常にもハレの日のどちらにも対応できる柔軟な空間です。

また、多世代交流も促進するため、住戸はファミリーを想定した間取りだけではなく、一人または二人暮らしのシニア向けのプランも用意しました。
住民と街の人々が同じ場所を共有することで、挨拶や立ち話といったささやかな交流が生まれ、日常的に関係性を育む仕組みが、ソーシャルな価値として評価されています。
駅前に生まれた、新たな人の流れ

審査コメントでも触れられたのが、駅前の歩行者空間を並木テラスへとつなげ、街全体のウォーカビリティー(歩きやすさ)を高めている点です。これまで賑わいが集中していた駅前広場と駅前の大通りといった縦の動線に対し、本計画では横方向へと人の流れを広げています。商業棟に面する「もみの木広場」は、商業棟を利用する人だけでなく、駅へ往来する地域の人が待ち合わせをしたりくつろいだりできるほか、芝生やステージにもなる大きな緑台など、商業棟と連動しながら「ハレの舞台」となる空間作りを目指しました。

2025年4月には、並木テラスと駅前の大通りを含む一帯で、「いわき駅前フェスティバル」という街開きイベントを開催しました。「たいらほこみち」や「サンシャインマルシェ」といった既存イベントと連携した、大規模な取り組みです。想定を上回る多くの方に来場いただき、街ににぎわいをもたらすことができました。今後も地域と連携しながらイベントを継続的に開催し、街のにぎわいを育て、周辺エリアの活性化につなげていきたいと考えています。
「もみの木広場」と「並木広場」という2つの広場がもたらす、地域コミュニティとしての「ハレ」と「ケ」を想像して造られている点も評価されたポイントです。
街とともに育つ住まいを目指して
私たちはさまざまな社会課題に向き合い、事業を通じて解決へと導く「ソーシャルデベロッパー®」を目指しています。「ミッドタワーいわき 並木の杜シティ」においても、マンション居住者にとってより良い住まいを提供することはもちろん、街全体の課題解決まで視野に入れたものづくりを行いました。今回、その取り組みがグッドデザイン賞の受賞という形で評価いただけたことを、大変ありがたく感じています。今後も地域社会への想いを大切にしながら、モノづくりに取り組んでいきます。
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