自分の成長のためのコミュニティ

【連載】コミュニティについて vol.04

出典:3×3 Lab Future HP

4回目の連載になりました。今回のテーマは少し難しいかもしれません。今まで経験したことのない人は、イメージを広げて思い描いてみてください。4回目のテーマは、自分の成長のために勉強会に参加したり、新たな活動に加わったりする、「自分の成長のためのコミュニティ」です。
もっと多くの人と知り合いたいとか、もっと知らないことを知りたい、見たいという欲求から、家庭でも会社でもない、新たな気づきを探しに私たちはコミュニティに出かけます。これは「自らをもっと成長させたい」ということから生まれる行動かもしれません。または、「今の暮らし方や、働き方でいいのか?」という疑問から生まれるのかもしれません。

今の時代は、これまでの高度成長の時代にあった価値観が、大きく変わろうとしています。収入が上がり、会社の地位が上がれば幸せになれると思っていたかもしれませんが、経験を通して、必ずしもそうでないことがわかってきたのです。経済(収入)は暮らしを安定させるためには必要ですが、必ずしも企業の一員でなくても、自分の好きなことをしながら、できる範囲で収入を稼いでいく方法もありそうです。最近では、会社で働きながらも自分のやりたいことを副業で始めたり、会社を活用して実現させたりと、チャレンジする人たちも増えています。そのためにも自分を成長させて、知見を広げ、自分のやりたいことのために仲間づくりをしていくという人たちが増えているのです。FacebookのようなSNSも、こうした行動を促すきっかけとなっているでしょう。

成長とは、自分の知らなかったことを知っていくこと、または知らないという領域をわかっていくことです。今まで出会ったことがなかった人の言葉に、耳をかたむけていくことがなにより大切に思います。
さらに、こうして行動しているうちに、多くの人は人と出会うことが楽しいと思いはじめるはずです。その過程で多くのことも学びます。特に新たなコミュニティに向き合う時、自分自身がどんな魅力的な生き方をしているのかを考えさせられるでしょう。会った人とどのような人間関係をつくれるのか、よい人間関係を構築するためには「もらう」より「与える」ということが重要だということも忘れないようにしましょう。

事例1:100人カイギ

現在すでに33の地域で開催されています。お近くの100人カイギをぜひのぞいてみてください。
出典:100NIN KAIGI HP

この活動については、以前取材コーナーでも紹介しました。(2019年4月19日配信「100人カイギ 誰にでもできる意識の変革」)
この活動は高嶋大介さんが考えたもので2016年に港区で実験的に始めた取り組みでした。今では全国33箇所以上の地域で開催されています。毎回5人、その地域のゲストスピーカーを呼び、自分の仕事について話をしてもらいます。参加者は、初めに参加者同士の自己紹介を数回繰り返しながら会場の雰囲気を温めます。そして5人のゲストスピーカーが、それぞれのプレゼンテーションをした後、その感想を参加者同士がシェアする時間になります。登壇者が100人に達したら、つまり20回開催したら、その地域での100人カイギは終わりになります。自分の住んでいる地域や近くの地域での開催をみつけて、足を運んでみてはいかがでしょうか。
この仕組みの面白いところは、参加するにつれて、人の繋がりの輪が広がっていくことです。もちろんゲストスピーカーの色々な生き方や働き方を見ることで、参考になることもあるでしょう。しかしポイントは知り合いが増えていくこと、今まで知ることがなかった人と短期間で知り合えることです。さらに自分の仕事と無関係な人の話を聞くことで、評価することなしに相手の話を聞くことができるのです。聞けば聞くほど、それぞれの生き方に深さや哲学があることを気づいていくことになるでしょう。
100人カイギ、ぜひ一度のぞいてみるのはいかがでしょうか。近くになかったり、積極的に興味のある人は、自分が主催者になることも可能です。小さな一歩ですが、2年という月日がたつと、自分に、そして地域に大きな変化がおきているようです。

事例2:3×3 Lab Future

大手門タワー・JXビル1Fにある「3×3 Lab Future」。
出典:3×3 Lab Future HP

知らないことを知っていくことにフォーカスした時、特にたくさんの勉強会や交流会をしている場所は有意義です。それが以前に取材コーナーで紹介した3×3 Lab Futureです。(2019年7月5日配信「3×3 Lab Future ー個と個を豊かにつないでいく「CSVビジネス創発プラットフォーム」)
スタートは2015年ぐらいになりますが、今では年間に400近いイベントが開催され、その内容も様々。また食事会や交流会も行われ、新しい出会いをつくるにも最適です。この場所では「丸の内朝大学」というイベントも行なっており、朝会社に行く前に自分の興味のあるテーマを数ヶ月かけて、新しい仲間と勉強していくというプログラムが有名になりました。たしかに新しいことを始める時に、1人ではなかなかできないものですが、仲間がいることで勉強もはかどりますし、新しい知り合いを通して自分の知らなかった価値観や世界観を知るきっかけにもなるでしょう。明確なテーマを持っている人もいるでしょうし、もやもやとなにか違うなとか、何かを始めたいという人もいるはずです。まずは今までと違う環境に飛び込んでみる。そんなことが自分を成長させる第一歩かもしれません。

事例3:はじまり商店街

ほぼ毎日イベントを主催しているはじまり商店街。そのフォーマットのイベント告知をSNSのタイムラインで見ない日はないほどだ。
出典:はじまり商店街 Facebookページ

この団体は、ほぼ毎日のように何かのトークイベントをどこかで行なっています。最近では彼らの企画するイベントを、まちづくりの起点として活用したいと仕事を依頼されることもあるようです。もともとはイベントを行うことで、イベント参加者はもちろん、イベントを自分が主催したいと思う人のネットワークもつくっていくことが目的でした。特にイベントを主催したい人を「コミュニティビルダー」と名付け、その人の興味のあるテーマをはじめていくという意味で「はじまり商店街」というネーミングになったそうです。何かを始めたいと思う人は多いはずです。その時のポイントはネットワークです。自分が中心になって仲間を広げていくということを応援するプラットフォームをつくることが、このチームの役割です。
参加する側から、参加してもらう側になることも自分を成長させる大きなステップになるでしょう。

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