高齢者マンションのガーデン森井さんのインタビュー
高齢者マンションとガーデニングを利用した園芸療法 デュオセーヌ国立での取り組み

今回は、フージャースが分譲した国立の高齢者分譲マンション「デュオセーヌ国立」(以下、D S国立)の菜園コンシェルジュ森井真理子(もりい まりこ)さんのインタビューです。
森井さんはハウスメーカーで働いた後に、イギリスのガーデンセラピーに興味を持ち本格的に学びたいと思い留学しました。イギリスでは、庭を作ることは心理的な療法のひとつとも考えられていて、積極的に高齢者の暮らしに取り入れられているのだそうです。日本に戻り、そうした活動を広めていきたいという思いから、このDS国立のプロジェクトに出会い、2020年にフージャースに入社し、ガーデニングを利用した園芸療法をはじめました。

DS国立では、希望する入居者が自分の植栽ボックス(レイズドベッドと呼ばれるもの)を借りているので、森井さんはそれを管理し、植栽のアドバイスやサポートを行っています。また行政と協定を結び自主管理している敷地内の公園を整備して、その場所を街の人たちにも開いて、定期的にイベントを行っています。繰り返し行うことで、街の人と入居者の交流が生まれているそうです。

年に一度は収穫体験会、それ以外にもハロウィンなどの季節にちなんだイベントを開催しています。その他にもマルシェなどを企画して外の人が定期的に訪れることができ、日頃から植栽を鑑賞したり、収穫体験もできたりする美しい場所になっているのです。


入居者と地域の子どもたちとの触れ合いの場となっているハロウィンイベントは、入居者も楽しみにしている毎年恒例のイベントです。
2025年10月19日(日)に実施された「ハロウィンマルシェ」では、近隣の海上自衛隊東京音楽隊を招き、雨にも関わらず居住者にも地域の方にも大好評でした。

菜園は、決して広いスペースではありませんのでレイズドベッドの数に限りがあります。それでも、このプロジェクトには希望者が多く、利用は抽選となっています。

自主管理公園は大きな芝生となっていて、マンションの植栽と一体的に計画にすることで、繋がりのある大きな庭となっていますし、外からも自由に出入りできる場所となっています。

イベントの際には多くの人が集まる公園となっています。この公園があることで、地域の方とのコミュニティ形成にも重要な役割を果たしています。
こうした高齢者マンションへのガーデニングサービスの可能性はますます広がるものの、課題もあるようです。まず、マンション住人のガーデン利用にばらつきがあります。また気候変動による植栽管理の難しさや、資材費の高騰による費用の影響を考える必要があります。このように、野菜を育てるということを一般的にしなくなってしまった日本の都市生活では、今のところハードルはいくつかありそうです。とはいえ、入居者や、近隣の人が喜んで活動に参加している状況を見ると、可能性を感じないわけにはいきません。いくつか課題はありますが、フージャースの今後の物件にも取り入れてみたいと思っています。
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