シェアハウス vol.03

―高齢者と若い学生が一緒の場所に住む

喫茶ランドリーの日常。高齢者と若者の交流が自然に生まれる。※写真はイメージです。本文の「NPO法人 街ing本郷」とは関係ありません
photo: Daichi Ano

若者と高齢者の出会いを積極的にマッチングしている「NPO法人 街ing本郷(マッチング本郷)」という団体があります。この取材は詳しくは取材コーナーでまた書いてみようと思いますが、ここでは簡単に触れて見たいと思います。この団体では「ひとつ釜の飯」という名前の食事会が時々開催され、高齢者と若者が一緒に食事をします。「NPO法人 街ing本郷」では、設備投資もできない、あまり使われていない古い木賃アパートを安い家賃で学生に貸し、その分、高齢者との接点を前提に入居しています。大学の目の前の場所ということもあり、住みたい学生はたくさんいるようですし、始めから高齢者との接点をうたっているため、それが義務でなく、そこに興味のある学生が集まることが出会いを盛り上げているようです。今では、ウェイティングができるほどまでの人気になっています。街の高齢者と触れ合うことで、その街に知り合いができて挨拶ができるようになると、若者も街に対して格別の親近感がわいてくるそうです。またそうした出会いから、気の合う人たちの個別の交流が始まり、片付けや大きな家具を移動させたり捨てたりするのを、手伝ったりもしているそうです。

この話を伺いながら若い人と高齢の人が一緒に住むことは、可能なのではないかとも思いました。多世代の人たちが一緒に住むことのメリットは、多くあります。高齢の人にとっては、若い人との交流は生活の「ハリ」にもなるでしょうし、まわりに人がいることで何かあった時にも安心です。若い人にとっては、人生経験豊かな先輩にいろいろな相談をすることもできますし、経験を聞くことで学びも多いはずです。

ポイントは、あらかじめこうしたコミュニティー内での定期的な交流会があることを前提に、お互いに興味のある人が集まるということではないかと思います。たとえ若い人の賃料を安くするというメリットを作ったとしても、高齢者の面倒を見るというような義務感ではなく、一緒に学ぶという姿勢が大事なことだと思います。

一緒に住むとなるとそれぞれの役割分担など、生活ルールを決める必要もあるでしょうが、実際にやってみる価値はありそうです。若い人の方は大学を卒業すると出ていくでしょうから、流動性がありそうですが、高齢の人は年々歳をとっていきます。ここに高齢の人も新しく入居していく仕組みも必要です。将来の不安は少し残るものの、運営しながら解決の糸口を見つけていくことができるでしょう。もしかすると、若い人と高齢者との間に中間の世代の人なども、入居するとよいのかもしれません。たとえばシングルマザーや共働きの夫婦など、子供を一人だけ家に残すような状況の人にとっては、こうしたコミュニティーの中で暮らすのは安心です。

いかがでしょうか。高齢者と若い学生が一緒に住むこと、そうしたシェアハウスに興味はありますか。みなさんのご意見をお寄せください。

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