見える仕事と見えない仕事

vicnt / PIXTA(ピクスタ)

新型コロナウィルスの拡大で、オンラインで仕事をする機会が多くなってきたと思います。みなさんの会社や仕事において、どのような変化がおきているでしょうか。

周りに変に気を遣うことが少なくなり、組織がフラットになった
移動時間が無くなり、時間が節約できるようになった
会議時間が短くなった
作業に充てられる時間が大幅に増えた
集中して仕事ができるようになった
情報共有が楽になり、コミュニケーションロスが解消された……

こんな話を聞くようになりました。つまり、仕事の効率が圧倒的に上がったということです。実はこれは、明確なゴールが「見える仕事」と「見えない仕事」に分けると、「見える仕事」のほうで起きているお話です。
今まで合理化や効率化を目指してきた会社の多くが、オンラインで仕事をするという新しい環境下になり、前述したような変化が、あっという間に実現しつつあることにお気づきでしょうか。もしそうなっていないとしたら、それはオンラインでの業務の進め方に問題があるのだと考えた方がいいかもしれません。ところが、ここでお気付きの方も多いと思いますが、会社には「見えない仕事」があるのです。この「見えない仕事」は、企業の哲学や文化といったものといえます。哲学や文化といっても、それは仕事への理想的な向き合い方や創造性を生み出す土壌をつくるエネルギーであったり、さらには会社への従業員のエンゲージメントであったりと、「見える仕事」の裏側にいつも付いているものです。創業の精神や使命感などもここに含まれます。
今までの日常を振り返ってみてください。会社の上司、部下、同僚と仕事の合間に立ち話をしたり、会議の間に雑談をしたり、仕事とは直接関係しない会話であったり、さらには飲み会やイベントなどもあって、そうした「見えない仕事」の時間の方が多かったかもしれません。またこうした仕事が、「見える仕事」と同居しながら進んできたので、その境は意識していなかったのかもしれません。

今回の新型コロナウィルスの影響で、いつもは同居していたこの2つの仕事が別々に動き始めました。
この「見えない仕事」は、ネット上で進めるには少し厄介です。しかし、そこを乗り越えていかなければなりません。少なくともこの「見えない仕事」とは何か、ということを考える必要があります。簡単に言うと、私たちの会社の、あなたの会社の存在理由です。何のために、社会にどう役立つのか、何を目指しているのか、そうしたことを話し合うチャンスが来たともいえるのです。「見える仕事」の効率化は、これからもどんどん進むでしょう。そうすれば必ず時間が余るはずです。いや、そうでないとおかしいのです。なぜなら「見えない仕事」をしなくなったのですから。その時に、その余剰の時間をさらに「見える仕事」に費やすのでなく、この「見えない仕事」に意識的に取り組む必要があるのではないかと思います。今まで何となく考えてきた会社もあるでしょう。しかし、この時期だからこそ、こうしたことを真剣に意識して考える時間を共有するべきではないかと思います。そうでないなら、会社という組織はバラバラになり、個人が分散して動く競争社会になってしまいます。
私たちが目指す社会は、誰もが等しく仕事をする楽しさを生み出し、誰一人落ちこぼれをつくらない社会を理想としているのなら、会社も高い志をもう一度見つめ直していくことができそうに思います。そのためにも、あえて社会に目を開き、実際には体験できない、しかし現実には起きている社会課題に対してや、せめて知らないことに目を向け、話を聞いたり、議論をしたりしてみてください。この「見えない仕事」には答えを出すというより、問いのレベルを上げると考えたほうがいいでしょう。抽象的な問いからより具体的な、そしてより細かな問いを積み上げていくと良いのではないかと思います。
みなさんのご意見をお寄せください。

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