四季を感じ、自然を暮らしに取り込む、シニア向け分譲マンション「デュオセーヌ横濱二俣川」

【フージャースの建築めぐり】建築担当の裏話編

「フージャースの建築めぐり」シリーズの「建築担当の裏話編」では、作り手の思いや苦労した点など、広告やパンフレットでは知ることができないエピソードを紹介します。
フージャースのモノづくりに対するこだわりを感じていただけるかと思います。

 

豊かな自然を、暮らしの中へ

横浜市旭区に誕生したシニア向け分譲マンション「デュオセーヌ横濱二俣川」。自然豊かな環境の中、四季の移ろいを感じながら、心身ともにのびのびと暮らせる住まいを目指しました。そのモノづくりのポイントを物件担当者が語ります。

建築担当者の紹介
フージャースコーポレーション
河合 甫乃香 (かわい ほのか)

この場所がもともと持っている環境を生かし、四季を感じられる植栽や共用空間など、建物の中にいても外の心地よさを感じられることを大切にしました。



周囲の環境に調和するマンション

デュオセーヌ横濱二俣川のすぐ側には帷子川(かたびらがわ)が流れ、建物の前には相鉄本線・鶴ヶ峰駅まで続く緑道があります。少し目線を上げれば山の緑を望むことができ、横浜市内でありながら自然を身近に感じられる場所です。この恵まれた環境を生かすため、周囲の自然を暮らしの中へ取り込むことを目指しました。四季を大切にしたいと考えたデザインコンセプトは「シーズンテラス」です。
この敷地にはもともと工場が建っており、前面道路の歩道際は敷地いっぱいに高い塀が建っていました。今回の計画では道路から建物をできる限り後退させ、道路沿いにゆとりのある空地を設け、開放感を感じられるようにしています。住民の方はもちろん、地域の方が建物の前を歩く際にもゆとりが生まれ、歩きやすい環境となるよう計画しました。川沿いや対岸に広がる緑との調和も考え、駐車場や自転車置き場、機械室などは道路側に設けないようにしています。道路に接する敷地いっぱいに植栽を配置しながら、建物に向かって左側は緑が前面に出てくるように植栽を配し、右側には車寄せと、人が滞在しながら緑を楽しめる空間を設けました。

竣工に合わせて、川沿いの道路周辺も整備されました。以前は夏になると雑草が茂り、歩きにくくなる場所もありましたが、草刈りや防草対策、ガードレールの更新などが行われ、歩きやすい環境になっています。
マンションの完成をきっかけに、敷地内だけでなく周辺の景観や歩行環境にも、より心地よい変化を生むことができたのではないかと思います。

 

大きな建物を軽やかに見せる

本物件は住戸数が多く、建物として大きなボリュームがあります。大きな建物だからこそ周囲にできるだけ圧迫感を与えないことを、計画当初から大切にしていました。そこで外観は、建物を一つの大きな塊として見せるのではなく、いくつかのまとまりに分けて見えるよう分節をつくり、圧迫感を軽減しました。外観のアクセントに、茶系の色をフレーム状に入れています。採用には少し思い切りのいる色でしたが、周囲の緑になじむタイルと組み合わせることで、木のようにも金属のようにも感じられる色合いになり、外観を引き締める良いアクセントになったと思います。

一方、廊下側にはリブのあるパネルを取り入れて単調に見えない工夫をするなど、全体を均一にまとめるのではなく、メリハリをつけてデザインしています。これまでのデュオセーヌシリーズには装飾を多く取り入れた物件もありましたが、今回は装飾を重ねるのではなく、素材や色、建物そのものの構成によって表情をつくりました。

 

外とつながるエントランス

エントランスでもこれまでのデュオセーヌシリーズとは異なる工夫を取り入れています。デュオセーヌでは風除室の正面をガラス面とする設計を多く採用してきましたが、今回はあえてガラスを使わず壁を作り、一度閉じた空間へ入る構成にしています。そこから建物の中へ進むと、視線の先に中庭と吹き抜けのラウンジが現れ、一気に視界が開けます。最初からすべてを見せるのではなく、閉じた場から開かれた空間へ変化することによって、中庭とラウンジの開放感をより強く感じてもらえるようにしました。

ラウンジも、外の自然を建物の中で感じられることを大切にしています。吹き抜けによる高い天井と大きなガラス面の先には植栽が広がり、室内には緑のタイルや鏡を取り入れ、抜け感を演出しました。
家具も、これまでのデュオセーヌで多く使われてきた背面の高い重厚な椅子から少し発想を変え、アウトドア家具を思わせる軽やかなものを採用しています。建物の中にいながら、自然の心地よさを感じてもらいたい。そんな考えが、ラウンジ全体のデザインにつながっています。

 

四季を感じる庭

植栽は、「四季の庭」という考え方をもとに計画しました。春から秋にかけて、エリアごとに季節を楽しめる植栽を配置し、敷地の中を歩くだけでも季節の変化を感じられるようにしています。中庭では植物だけでなく、大きな岩も景観の一部として取り入れました。切り出したような存在感のある岩や、鳥が水を飲めるように窪みを設けた岩など、計画当初から細部までイメージしながら配置しています。中庭はラウンジから眺めるだけの庭ではありません。エレベーターホールから外へ出たときに緑の厚みを最も感じられるよう、植栽の配置を考えました。

 

地域にも開かれたレストラン

外とのつながりは、レストランにも表れています。本物件のレストランは、居住者だけでなく外部からも利用できるよう計画しました。大きなガラス面を設け、外とのつながりを感じられる開放的な空間にしています。建物前の空地にはベンチを設置。床の仕上げを切り替えることで、レストランへ自然に導く動線としています。

レストラン内部は、中庭の岩とも呼応するような、地層を思わせる素朴な表現を取り入れました。素材には実際の土を使って色を表現している部分もあり、各地の土が持つ自然の色合いを空間に生かしています。

 

暮らし始めて見えてきた風景

竣工後に建物を訪れると、計画段階で思い描いていた空間が、実際の暮らしの中で使われている様子を見ることができました。ラウンジでは、スマートフォンや雑誌を見ながらゆっくりと外を眺める方や、送迎バスを待ちながら過ごす方の姿も見られました。多目的室で行われた体を動かすイベントには多くの方が参加し、楽しそうに過ごしていました。レストランは引き渡しの日から営業を始め、早速利用を楽しみにしてくださっている方が多かったことも印象に残っています。実際に皆さんが共用空間で思い思いに過ごされている姿を見ると、計画してきたものが暮らしにつながっていることを実感し、うれしく思っています。
周囲にある豊かな自然を建物の中へ取り込みながら、建物そのものも地域の風景の一部になっていく。デュオセーヌ横濱二俣川は、四季を身近に感じながら、それぞれが思い思いに過ごせる住まいになったのではないかと思います。

 

デュオセーヌ横濱二俣川
https://www.duoscene.jp/futamatagawa/

所在地:神奈川県横浜市旭区今宿南町
交通:相鉄本線「鶴ヶ峰」駅より徒歩22分、相鉄本線「二俣川」駅より徒歩29分、神奈川中央バス「今宿小学校入口」バス停から相鉄本線「鶴ヶ峰」駅まで約5~9分
総戸数:213戸
階数:7階建て
竣工:   2026年2月