今の時代に寄り添う、新しい玄関収納

欲しかった暮らしラボでは、さまざまなテーマでアンケートや座談会を開催し、お客様の声を聞いています。皆さんに伺った悩みや求めることを、フージャースでは、新しい商品やプランの開発に生かしています。そうして完成した商品やプランも、実際に使用したお客様の声や時代の変化に応じてブラッシュアップを重ねています。今回は玄関収納を見直し、改良しました。

 

3タイプの玄関収納

私たちはこれまで、玄関収納として3つのタイプをご用意してきました。天井まで壁面を有効に使い、たっぷり収納できる「トールタイプ」、一つを低くして飾り棚にした「飾り棚付タイプ」、収納を一つ無くしてコートハンガーなど背の高いものを置けるようにした「フリースペースタイプ」です。

いずれのタイプも10年ほど前に登場しましたが、当時のお客様の声を反映して生まれた、その時代における最適解といえるプランでした。しかし近年は、3タイプのうちトールタイプや飾り棚付タイプを選ばれる方が多く、フリースペースタイプについては、当初想定していた使われ方と実際のニーズに差が生まれていることが見えてきました。そこで私たちは、今の暮らしによりフィットした玄関収納へとアップデートするため、フリースペースタイプのブラッシュアップを検討し始めました。

 

玄関に置きたいものの変化

フリースペースタイプは元々、コートハンガーやスノーボードの板など、高さのあるものや部屋に持ち込みたくない長物を置くという想定から生まれた収納です。ところが、玄関に関するアンケートを行ってみると、この使い方は少数派であることが分かりました。自由に使えるはずの空間が、かえって使い方を想像しにくくしていたのかもしれません。

一方で浮かび上がってきたのは、暮らしの価値観そのものの変化です。コロナや震災など自然災害を経て、防災や衛生の意識が高まっており、玄関に「置いておきたいもの」「すぐに取り出したいもの」は、以前とは変わってきています。「玄関に靴や傘以外で置いているもの・置きたいもの」を伺ったアンケートでは、マスク、除菌スプレー、除菌シートなど、衛生用品が多く挙がりました。現在置いてはいないものの、今後置きたいものとしては、防災用品がランキング上位という結果になっています。さらに、2022年の道路交通法改正により、自転車利用時のヘルメット着用が努力義務化されたことで、家族分のヘルメット置き場を求める声も増えました。

 

暮らしのシーンから考える、モノづくり

私たちのモノづくりの根底にあるのが、ここに暮らす方々の日々のシーンを想像することです。朝出かける時、帰宅した時など、何気ない日常のシーンを想像して、使い勝手の良さなどをお客様視点で考えています。今回の玄関収納の見直しも、「今の暮らしで、玄関はどう使われているのか」「何があれば、日常が少し楽になるのか」など、さまざまなシーンを想像するところからスタートしました。既存のフリースペースタイプは、収納が少ないと感じてしまうのではないか、何を置けばいいのかイメージしづらいのではないか、という懸念が浮かび上がってきました。こうした懸念を改善のヒントに、今のニーズにマッチした魅力のある玄関収納にしようと考えました。

 

使われる収納へアップデート

私たちが目指したのは、収納力と高さのあるものも置ける使いやすさの“いいとこどり”ができる玄関収納です。使う頻度や目的に合わせたゾーニングを行い、フリースペース部分の上部は扉付きの棚に、下部は高さのあるものもそのまま置けるオープンスペースとした「ストレージタイプ」を考えました。

上段(A)は可動棚を採用し、家族分のヘルメットや防災用品など、形や大きさが異なるものにも柔軟に対応できるようにしました。扉付きのため、生活感を隠せる点もポイントです。中段のオープン部分(B)には、マスク、除菌スプレー、懐中電灯、靴べらなど、毎日使うものや緊急時にすぐ取り出したいもの、下段のオープン部分(C)には、キャリーケースやアウトドア用品など家の中に持ち込みたくない外で使用するものを置くことを想定しました。毎日使うようなものは扉を触らずワンアクションで取り出せるので、使い勝手が良くなります。

 

ニーズにあった住まいづくり

今回の取り組みは、まったく新しい商品開発ではありません。時代のニーズをキャッチして、今の時代に合わせてブラッシュアップする改善・改良です。玄関に求めるものも、時代とともに変わります。その変化をいち早く捉え、住まいに落とし込んでいくことも私たちの使命です。何気ない日常の中で、「使いやすい」「ちょうどいい」と感じていただける瞬間を積み重ねていくことが、「あなただけの、ここにしかない暮らし」を生むことにつながると考えています。
これからも私たちは、暮らしのシーンを丁寧に想像しながら、今の時代に寄り添うモノづくり、住まいづくりを続けていきます。