街とつながるランドマークを目指した
「デュオヒルズ八戸ザ・マークス」
【フージャースの建築めぐり】建築担当の裏話編

「フージャースの建築めぐり」シリーズの「建築担当の裏話編」では、作り手の思いや苦労した点など、広告やパンフレットでは知ることができないエピソードを紹介します。
フージャースのモノづくりに対するこだわりを感じていただけるかと思います。
メインストリートに誕生するランドマーク

「デュオヒルズ八戸ザ・マークス」は、八戸の中心街を走るメインストリートに面した場所に建つマンションです。街のランドマークにふさわしいデザインを目指すとともに、ストリートと一体となった空間づくりを意識しました。そのモノづくりのポイントを物件担当者が語ります。

建築担当者の紹介
フージャースコーポレーション
建築本部 田中 雅 (たなか みやび)
(2026年3月まで在籍)
八戸の中心街にふさわしいランドマークとなる住まいを目指しました。街の風景やストリートとのつながりを意識し、長く愛される建築になるよう設計しています。
再開発から生まれる、新しい八戸の象徴

本物件は、八戸市中心市街地のメインストリートに面した場所に位置します。かつてこの場所には、映画館などが入る商業施設「チーノはちのへ」があり、地域の方々に長く親しまれてきました。この跡地の再開発として、マンション棟、ホテル商業棟、駐車場棟の建設が計画されています。マンション棟は今回紹介するA棟「エアリータワー」と、2026年3月に着工したB棟「ブライトタワー」のツインタワー構成です。完成すれば総戸数140戸を超える、青森県内でも最大規模のマンションとなります。八戸の中心街においては希少な立地のため、「八戸の中でもナンバーワンといえる物件にふさわしい建物をつくりたい」という思いで計画を進めました。
想定される居住者は、中心街の利便性を求めて戸建てから住み替えを検討するシニア層や都市型のライフスタイルを志向する方々です。また、将来の資産として希少価値の高い物件を求める方にも応えられる住まいを目指しました。
デザインのコンセプトは「New × Classical」。再開発によって新しく生まれ変わる八戸の街と、これまで大切にされてきた街の記憶。その両方を大切にしながら、地域の方々にこれからも長く愛される建物をつくりたいと考えました。
角地を生かしたツインタワーのデザイン

建物は角地の立地を生かし、街の起点となるランドマークを意識したデザインとしています。最上階には大きな庇を設け、木目調のルーバーで温かみを出しながら、華やかで特徴的なデザインにしました。各階のスラブ※の形状を斜めにカットすることで、水平ラインを強調しながら、エッジの効いた印象を生み出しています。この斜めのスラブには、寒冷地ならではの配慮もあります。バルコニー面の下には、一般の方も立ち入ることができる公開空地があります。人が歩くことも想定されるため、雪が溜まりにくく落ちやすい形状を意識しました。バルコニーにはガラス手すりを採用し、部分的に木目調ルーバーを組み合わせています。ガラスには空を映し込む反射ガラスを用い、天候や時間帯によって異なる表情を見せるデザインとしました。

また、本プロジェクトは将来的にツインタワーとなる計画のため、2棟並んだ際の景観も重視しました。大庇やエントランスを反転させて配置することで、シンメトリーの美しい並びとなるよう設計しています。中央にエントランスを配置することで、ゆとりのある車寄せ空間も確保しました。
※スラブ:マンションの床を支える板状のコンクリート
長く愛される空間

エントランスは2層吹き抜けの開放的な空間にしています。壁面にはライン状の照明を入れ、建物の顔として印象的な空間を演出しました。内部に入ると正面には木製のルーバーを用いたデザイン壁を設け、温かみのある雰囲気を感じられるようにしました。

エントランスの大きな庇は積雪を考慮した厚みのある構造としていますが、下から見たときに薄い層が重なるようなデザインとすることで、圧迫感のない軽やかな印象に仕上げました。

ラウンジは大通りに面しているため、ガラス面に部分的に目隠しフィルムを施し、外からの視線を遮りながら植栽を感じられる空間としています。家具は流行を追うのではなく、クラシカルで落ち着きのあるものを選びました。長く愛される建物であるために、空間も時代に左右されないデザインを意識しています。
ウォーカブルな街づくりを牽引するデザイン

本プロジェクトでは、公開空地のデザインにも力を入れました。八戸市は、中心市街地活性化の目標として掲げる3つの基本方針の1つとして、「多様な活動や交流が生まれるウォーカブルなまちづくり」を進めています。本プロジェクトは中心市街地の再開発の先駆けとなるため、そのまちづくりを牽引するような空間にしたいと考えました。
設計にあたっては、八戸市が行っている官民一体となって街路の将来的なあり方についての検討を行う勉強会「まちなかストリートデザインラボ」に参加させていただき、地域の方々と意見交換を重ねました。八戸市では道路の車線数などの実証実験も行っています。それに伴う住民アンケートでは「ベンチや休憩スペースが欲しい」「イベント時にキッチンカーが来るとうれしい」といった声もあり、それらを参考に公開空地のデザインを検討しました。

メインストリート側には、人の居場所となる帯状の空間を設け、ベンチや植栽を配置しています。この通りは祭りの時にはたくさんのお客さんが集う空間になっていますが、普段はそこまで多くの人が集う場所ではありません。日常的に楽しい空間となるように、目で見て楽しめるオブジェのような要素を取り入れることを考えました。ベンチは高さや形状を変え、座るだけでなくテーブルとしても使えるなど、見た目にも楽しく、さまざまな使い方ができるよう工夫しました。

エントランス側に面するもう一方の通りは「ハナミズキ通り」と呼ばれているため、その名前に合わせてハナミズキを植樹しています。八戸の街では、アイレベルで植栽を感じられる場所は多くありません。寒冷地でも育つ樹種を選び、できる限り植栽を植えることで、散歩する方が立ち止まったり、街を歩く楽しさを感じたりできるような空間を目指しました。
地域に愛され続ける建物を目指して
長く愛されてきた場所が再開発されることには、さまざまな思いがあります。思い出の建物がなくなることを寂しく感じる方もいれば、新しい街の姿に期待を寄せている方もいらっしゃいます。そうした声がある中で、この場所にふさわしい住まいづくりに向き合ってきました。完成した建物が地域の方々に受け入れられ、街の新しい景色として親しまれていくことを願っています。
フージャースでは、その土地ならではの個性を考えてモノづくりをしています。難しさもありますが、その分やりがいも大きいと感じています。住まいは、お客様にとって大切な資産であり、人生に寄り添う存在です。そうしたモノづくりに携われたことを、改めて意義深く感じています。

デュオヒルズ八戸ザ・マークス
https://www.hoo-sumai.com/duohills/hachinohe/
所在地:青森県八戸市大字十三日町
交通:JR八戸線「本八戸」駅より徒歩15分
総戸数:69戸
階数:15階建て
竣工:2026年3月