シェアハウス vol.02

―働くためにあったら便利な共有空間

photo: Miki Chishaki

今回は高齢になった時の働き方と、コレクティブハウスの共有スペースについて考えてみましょう。働くといっても、収入以上にやりがいのあることが大事になるようにも思います。それらを実現させるために、住まいの一部に働くことをサポートできる機能や、空間があると便利ではないでしょうか。

ワーキングスペースがあったら(自分で仕事をする)

元気に過ごすためには、仕事を続けられるというのもその秘訣の一つでしょう。リタイヤした後ぐらいの年齢では、通常はまだまだ元気です。こうしたコレクティブハウス内にワーキングスペースがあってそこで起業したり、またはコミュニティー内で生まれる新しい仕事にチャレンジするというのはどうでしょうか。自分一人で事務所を借りたりするのは経費もかかります。いつでも仕事ができる環境があるのは大事なことかもしれません。先日の高齢についてのアンケートでは、会社をリタイヤした後の過ごし方については、ゆっくり過ごしたいが30%、趣味を楽しみたいが28%、出来る限り働きたい24%、ボランティアのような仕事をしたい人が16%でした。なにかしら仕事や活動をしたいという人が40%もいます。

大きなキッチンがあったら(子供食堂のようなボランティア活動)

高齢者にとって理想的な活動の一つにボランティア活動があります。そのヒントになりそうな活動に、子供食堂というのがあります。地域の子供達に百円で食事を出しています。共働きの家庭やシングルマザー(ファーザー)という人も増えています。そうした家の子供のために、栄養のバランスのとれた食事を提供していきます。社会貢献事業でもありますが、社会のためにできることを自分の活動にするというのは、現役の会社員の時や家庭の主婦の時はできにくいものです。一人になったとき、長年の料理の経験を生かして家庭料理を子供達につくって喜んでもらうのは、大きなやりがいや生きがいをつくれるでしょう。

ボランティア活動の場合、収入とやりがいを両立させることは課題になりそうですが、他の仕事をもちながら、または関係するような仕事をしながら行えると良いのかもしれません。

こうしたことを実現するために、自分の住む場所に大きなキッチンがあると便利です。子供食堂に限らず、キッチンをつかった社会貢献の可能性は様々ありそうです。収益を得るビジネスとはいえないかもしれませんが、自分たちで回せる範囲で始めるのもよいでしょう。きっと楽しいコミュニティーが周りに生まれていくでしょう。

工房があったら(趣味をいかしてなにかをつくって売る)

もうひとつの理想の仕事を考えてみましょう。それは趣味を活動にすることです。家具をつくるとか、陶芸をして食器をつくるとか、あみものや裁縫でアクセサリーを作ることなどそれまで趣味としてやってきたことに磨きをかけてそれらを販売するのです。趣味の領域を超えて、収益がついてくるとさらにやる気が出ますし責任も発生します。こうしたことができるためにも住むところに工房があると便利です。材木を加工する旋盤や、陶器を焼くかまど、ミシンなどの裁縫や手芸の道具があると、もっとものを作る可能性が広がります。

いかがでしょうか。ここに紹介したように元気なうちは仕事をしていくということ。今までの延長の仕事というより、収益は少ないかもしれませんが、誰かのサポートをするような仕事です。そうした活動の中から新しい仕事が見つかるかもしれません。身近の自分の住むコミュニティーや地域との関わりの中で、仕事をつくりだしていくことができると、日々の暮らしに「ハリ」が生まれるかもしれません。

そのためにもシェアハウス内に、外部の人のためにも使えるような様々な機能があらかじめあると便利です。こうした場所があることで多世代の人の交流も生まれる可能性があります。みなさんはどのように思いますか。ご意見をお寄せください。

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