シェアハウス vol.1

―多世代型シェアハウスについて

最近では若い人たちが住むシェアハウスというのをよく耳にするようになってきました。しかし考えてみると。多世代型または高齢者用のシェアハウスというのがあってもよいと思うのですがみなさんはどのように思いますか。ヨーロッパでは1970年代終わりぐらいからコレクティブハウス(相互扶助住宅)という名称で一人暮らしの人が集まって共有空間をシェアしながらお互いができることを助け合ってくらすという多世代が一緒に住むようなシェアハウスの暮らし方が生まれました。その後年齢層をわけて若い単身の人だけ、高齢の人だけ、家族や子供がいる人というように年齢や家族構成で分けたりしているものも現れるようになります。

多世代型シェアハウスのイメージ

ヨーロッパでは多くの事例がありますが、日本でもいくつかは事例があります。食事当番を交代で行なったりして一人一人の家事の負担を軽減します。また多世代型では子育てのサポートをお年寄りの方が行なったり、お年寄りの買い物を若い方がしたりと助け合うのです。今回のコラムでは共通のイメージが持てるように規模を想定してみます。一人暮らしの人が中心で全体の8割、そのうち若い人が4割、高齢者が4割、残りの2割が夫婦やファミリー、全体で50世帯が一緒に住むようなシェハウスの規模を想定してみます。50世帯で80人ぐらいが一緒に住みます。お互いに子供の名前ぐらいまでしっかりと覚えられるぐらいの人数です。

自分のことが自分でできる間に

高齢といってもここで過ごすのは元気な間としましょう。元気とは自分のことは自分でできるという意味ですが、誰かの手を借りれば日常の生活がなんとかできるという程度まではこういう場所でくらせるでしょう。元気でいる、この状況をどれだけ長く維持できるか大事なのですが、高齢になると一人でいるのは心細いものですし、自分の役割が社会からなくなることが元気をなくしていきます。よく高齢者施設にはいることで余計痴呆が進んでしまうというような話も聞きます。多くの人と関わりをもつことも元気な暮らしを維持できることかもしれません。

人と一緒に住むということ

こうしたシェアハウスには多くのメリットがありそうです。しかし一方で煩わしいと感じる人も多いでしょう。人と一緒に住むためには、お互いのプライバシーを尊重しあい、他人の暮らしをおかさないという共同で住むためのマナーやスキルも大事です。核家族化した日本の暮らしや長いこと企業で過ごして来た人たちにとって全員が平等でお互いに助け合っていくという暮らし方をするために若い時から人と一緒に暮らすという経験も一度はしたほうが良いかもしれません。また施設には全体がうまくいくようにサポートするマネージメントも必要になるでしょう。

多くの人が一人で暮らす時代に

人と一緒に住むということはいくつかの心配はあるものの、社会全体としては一人暮らしの人が増えて行きますので、多くの他人と一緒に住むということがさらに広がって行くようにも思えます。日本では一人暮らしの人はすでに世帯数の30%を超えています。多世代型のシェアハウス、または高齢者のシェアハウスはひとつの可能性かもしれません。みなさんはどのように思いますか。ご意見お寄せください。