フージャースが造る一棟リノベーションマンション「デュオリスタ松戸常盤平」

【フージャースの建築めぐり】建築担当の裏話編

「フージャースの建築めぐり」シリーズの「建築担当の裏話編」では、作り手のこだわりや苦労した点など、広告やパンフレットには表現されない裏話に迫った記事です。フージャースのものづくりのこだわりを感じて頂けたらと思います。

 

ファミリーが愛着を持って暮らせるリノベーションマンション

千葉県松戸市、常盤平駅より徒歩7分に位置する「デュオリスタ松戸常盤平」。
もともと宿舎であった建物を、ファミリーがのびのびと安心して暮らせるマンションに一棟まるごとリノベーションしました。そのポイントを担当者が語ります。

建築担当者の紹介
フージャースコーポレーション
建築本部 建築二部 建築一課 宮部 貴寛(みやべ たかひろ)

今回はファミリー世代をターゲットに、デザインコンセプトを「NOBI—NOBI」として、ゆとりある暮らしの場を提案しています。近年のマンションは、限られた面積の中で設計されている間取りも多くなっていますが、本プロジェクトでは既存物件の持つ、専有部の広さや、アプローチ空間の広がりを活かして、「余白(ノビ)」がある空間で、子供たちが「のびのび」と育ち、その子どもたちをきっかけにコミュニティが形成されていく、そんな一棟リノベーションマンションを目指しました。



ゆったりとした憩いを演出したエントランス

既存のエントランスアプローチには、ブロックをくみ合わせた特徴的なインターロッキング舗装の広場がありました。緑量も少ないため全体的に簡素で冷たい空間となっていました。
今回の一棟リノベーションではこの特徴的な共用部分を大変身させることで、リノベーションならではの特徴的な空間をつくり、刷新感を演出する必要がありました。

そこで、この広場をどのようにリノベーションするか考えた結果、メインターゲットを、「のびのびとした空間で、自分らしい暮らしや子育てをしたいファミリー」と位置づけ、住む人が自然とコミュニケーションをとれる場所にしたいと考えました。

まずは、広場を豊かな空間とするために、既存の植栽をできるだけ活かし、たくさんの植栽を植えることで、温かみや刷新感を演出しました。また、小さい子どもが遊べるキッズガーデンは、転んでも痛くないゴムチップ舗装にしました。そして、子どもたちが遊んでいる間に、親が腰かけられるサークルベンチを設け、日よけにもなるシンボルツリーを広場の中心に配置しました。
シンボルツリーを囲むサークルベンチは、広場の中心性をつくるとともに、隣に座る人と目線の方向が少し変わるため、適度な距離感がとれ、初めて会った人でも近くに座りやすいベンチになっています。このキッズガーデンやサークルベンチは、「幼稚園バスを待つ間や、子どもが遊んでいる間に、シンボルツリーを囲んでコミュニティが育まれればいいな」という願いをこめて計画しております。

リノベーション前は平置きだった駐輪場スペースは、ファミリーが多く住むとことを想定していた為、各世帯に2台分ずつの自転車置き場を用意しました。工夫した点として、自転車ラックを設置するにも、排水桝があって自転車を止めにくかったり、屋根が低かったりするという現状であった為、場所毎に自転車ラックの種類を選定し駐輪場の増設を行いました。駐輪場の屋根の劣化も、塗装しなおして新たに生まれ変わりました。

 

リノベーションマンションだからこそ、入居者の負担を軽減

駐車場やエレベーターについても、大きな決断をしています。
駐車場については、元々地下に設置されていた機械式駐車場を撤去し、平置き駐車場にしたことです。
一般的に、機械式駐車場の寿命は、25年~30年と言われています。丁寧なメンテナンスを続けて、長く使うこともできますが、このマンションは築28年ということもあり、機械式駐車場の寿命が近いことが分かっていました。
機械式駐車場を撤去するには、相当の建築コストが掛かりますが、入居後に起こる管理組合の費用負担を考えて、あえて機械式駐車場を撤去し、地下部分を埋めて平置き駐車場にすることを選択しました。
そのため、駐車できる台数が減ってしまうので、1階部分の植栽を減らし、道路に面して3台の駐車スペースを増設し、足りない分を補うことで必要な台数を確保しています。

エレベーターについては、元々ロープ式と油圧式の2機のエレベーターが設置されていました。油圧式エレベーターは、現在では「メンテナンスできる業者が限られる」「部品が手に入りにくい」「新規製造を中止している」などの理由から、このまま使い続けることによるデメリットが大きいと判断し、油圧式エレベーターの廃止を決定しました。エレベーター自体は、1階に固定して、油圧用の油を抜き、各階のエレベーターの扉は壁でふさぎました。

駐車場やエレベーターに対して、このような決断ができたのは、グループ会社のフージャースリビングサービスが、今まで手掛けてきた大規模修繕のノウハウと、フージャースコーポレーションがデベロッパーとして培ってきた経験を活かして、入居後の事を考えて、一棟丸ごとリノベーションマンションの計画をすることができました。

また、住んでからの不安を払しょくできるように、アフターサービスも手厚くしました。最長10年間のアフターサービスやフラット35を利用できるほか、既存住宅瑕疵担保保険に加入し、基本構造部分に加えて、給排水管路・設備等が保険対象となる管路設備付帯特約も受けることができます。これらは、実際に住んでから起こる不具合の可能性を考えて、あらかじめ対策を施して安心したリノベーションマンションを造りたいという当社のこだわりでした。

 

既存物件の広さを活かした「+ワンルーム」の間取り

室内にも様々な課題がありました。
室内には、元々設置されている排水竪管やガスなどの動かすことができない設備配管があります。リノベーションマンションでは、この制約の中でいかに住みやすい間取りを考えるかが、重要になってきます。

特にこのマンションでは、全ての住戸に和室があり、足元に地窓が設置されていました。
この窓をふさいでしまうか、活かすか。間取りを考えるにも大きく左右されてしまいます。一般的には間取りを優先して、ふさぐことがある地窓を、今回はふさがず、地窓を活かしたデザインを考えることを決めました。
地窓を活かしたプランを考えた結果、完成したのが、地窓の採光と換気を活かした「窓のある大きなウォークインクロゼット」です。暗く、湿気のたまるウォークインクロゼットを地窓の特徴を生かして、明るく、空気の循環する空間とすることができました。

また、87㎡も91㎡も元はほぼ同じ間取りだったため、「+ワンルーム」として目的の違う4つのメニューを計画し、入居者のニーズにあったプランを提供することができました。「+ワンルーム」では、リビング横の洋室を変化させ、居室は共通工事化とすることで、工事費を抑えることができました。

南側のリビング横の洋室と出窓を「ビッグウォークインクロゼット」とすることを標準プランとし、メニュープランとして「ビッグランドリー」、「キッズワークスペース」の2種類のプランと、玄関横の洋室を「土間」に変更できるプランの4つを準備しました。
なかでもお客様に好評だった2つのメニュープランについて紹介します。

■ビックランドリープラン
「ビッグランドリー」プランでは、洗面室と行き来できるよう計画し、「洗う・干す・たたむ・収納する」を短い動線で実現。ユーティリティスペースのカウンターは洗濯物をたたむだけでなく、パパママの作業部屋としても利用できます。

「ビッグランドリープラン」の洗面室から続くユーティリティスペース。室内窓がアクセントになり、出窓からの採光もあり明るい空間に。
洗濯を効率的に行うことを考えた「ランドリーカウンター」は、全ての住戸に設置されています。

■土間プラン
玄関横の洋室の一部に土間を設けたプランです。土間プランは、汚れが気になるスポーツ・アウトドアグッズ、子どもの外遊びグッズの収納や、雨に濡れたアウターの一時保管場所として利用可能。趣味のメンテナンススペースとしても利用できます。
洋室を土間に変更するために、土間の床を一段上げて床仕上げの下を遮音し、洋室は既存の窓を活かすために、あえて収納に扉をつけずにウォークインクロゼットとするなどの工夫をしました。

玄関横に設けた土間スペースと接続する洋室

「ビッグランドリー」や「土間」については、この欲しかった暮らしラボでアンケートや座談会を通して伺ったご意見を参考にして、実現したプランでもあります。
「ビッグランドリー」と「土間」についてのこだわりは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
「Bigランドリー」のある暮らし(2022年2月10日掲載)
外と中を緩やかにつなぐ「土間のある暮らし」(2022年3月25日掲載)

 

1階住戸の解放感を実現する広い専用庭

草が伸び放題の遊具のある広場を、専用庭にリノベーション

1階住のバルコニー前は、セットバックされており十分な広さがあり、既存物件では子どもが遊べるように遊具のある広場がありましたが、プライバシーを確保するためか、広場部分は出入口にフェンスが建てられ、出入りができない状況でした。そのため、広場は使われない遊具と伸び切った雑草で手つかずの状態でした。
今回、その使われていない広場空間を専用庭にリノベーションすることで、1階住戸の資産価値を上げたことも今回のリノベーションの特徴です。

専有庭とするために、バルコニーを切断し、芝生を張り替え、散水栓・フェンスを設置しました。バルコニーだけでは奥行1.6mほどですが、専用庭と合わせると、4m近い奥行きになります。
ただし、現状の建築法規(※斜線制限)を満たすために住戸間には目隠しフェンスを建てることができなかったため、通常よりも低い高さの縦格子フェンスを設置しています。通常では考えられませんが、リノベーションならではの専有庭としてお客様にも受け入れてもらうことができました。

※斜線規制:道路や隣接地の日照・通風を確保するために、建物の高さや配置などを規制したもの。

 

顧客視点を突き詰めたものづくり

フージャースが、このような一棟リノベーションマンションを造ることができた背景には、新築マンションで培ってきた建築の経験と、大規模修繕などで建物のメンテナンスに詳しい管理部門があること、顧客の声をプランに反映させる顧客視点でのものづくりへのこだわりが、あったからだと思っています。この3点が融合した結果、今回の「デュオリスタ松戸常盤平」というマンションが完成し、お客様にも喜んでいただけたことで、今回のリノベーションは間違っていなかったと安堵しています。

特に、リノベーションマンションは通常、1戸1戸、ニーズに合わせて対応しますが、今回は一棟丸ごとのリノベーションだったからこそ、共用部分まで新たに生まれ変わることができました。

また、企画した間取りプランはどれも好評で安心しました。「ビッグランドリープラン」は、階数を下げてでも「ビッグランドリー付き」のお部屋を買いたいという方がいたことや、「土間プラン」もモデルルームができるとすぐに完売したことは、結果としてよかったと受けています。
他にも、室内に設けたインナー窓やリビング・ダイニングの扉、各部屋の壁紙、ランドリーカウンターも「リノベーションマンションならではの遊び心がある」と好評でした。
「リノベーションマンションで、ここにしかないプランだから購入した」というお客様の声は、とても励みになります。

これからは、世の中的にもリノベーションマンションは増えていくと思います。フージャースグループの強みを生かせる機会がさらに増えていくことに期待し、次はどんなマンションができるかとワクワクしています。

 

デュオリスタ松戸常盤平
※こちらの物件は完売しました

所在地:千葉県松戸市常盤平
交通:新京成電鉄新京成線「常盤平」歩7分
総戸数:48戸
階数:7階建て
竣工:2022年8月