マンションの「間取りの可変性」に関する座談会を終えて

NOBU / PIXTA(ピクスタ)

今回は「マンションの間取りの可変性」がテーマです。
9月に行ったアンケートでは、壁・建具・収納の位置を自由に変えられる住宅に興味がある人は、90.5%。その中でも、実際に住み替えたいと回答した人は、58.2%で、間取りの可変性に興味を持っている人が多いことがわかりました。結果は、10月に「欲しかった暮らしラボ」で報告しています。

【結果】マンションの「間取りの可変性」に関するアンケート」(10月14日掲載)

今回の座談会では、10月22日から計5回にわたって、ライフステージの変化に合わせて生じる、間取りの不満や要望をより具体的にお聞きしました。その内容をご紹介します。

座談会の目的
①お住まいの住宅に対する現在の不満、②叶えたい住まいへの要望。以上の2つを伺うことで、ライフステージの変化に合わせて必要となる間取りを把握し、永く住まうことのできる間取りを考える。

実施日
2022年10月22日(土)2回、10月27日(木)10月28日(金)2回、の計5回。各グループ1時間半程度。

 参加者
30代~50代の男女、計9名の方にお話を伺いました。

インタビュー内容
座談会の中から、下記の2点について参加者の声をご紹介します。
1. 今の住まいへの不満
2. 叶えたい住まいへの要望

 

1. 今の住まいへの不満

今の暮らしの中で、専有部分で不満に感じていることをお伺いしました。

■小学3年生以下の子どもがいるご家庭

Aさん
4人家族(子ども:幼児2人)
専有部に関しての不満は、特にないです。

Bさん
4人家族(子ども:小学1年生の娘、年少の息子)
専有部に関しての不満は、特にないです。

Cさん
4人家族(子ども:年長・年中の娘二人)
収納スペースの活用がうまくできていないです。モノを捨てられなくて、モノがあふれています。

Dさん
3人家族(子ども:5歳の息子)
90㎡以上あるのですが、各部屋が意外に狭く、ベッドの配置に困って、まだ買っていないです。
夫婦とも、半々で在宅です。二人とも在宅だと居心地が悪いので、被らないようにしています。夫がいると、食事の支度もあるので、仕事に集中できませんね。

■小学4年生以上の子どもがいるご家庭

Eさん
5人家族(子ども:小学6年生の息子、小学3年生の娘、年少の娘)
子どものモノが増えて、収納が足りないです。3LDKの間取りですが、子ども部屋を作ろうと考えると、部屋が足りないです。

Fさん
3人家族(子ども:中学3年生の娘)
現在の間取りは、2LDK+S(サービスルーム)です。サービスルームは物置になっています。
和室で、主人と就寝していますが、サービスルームを寝室にしたいと考えています。
また、主人は週の半分は在宅で、娘の部屋で仕事していますが、娘が受験生なので、机の取り合いになっています。

Gさん
4人家族(子ども:中学3年生の娘、小学5年生の娘)
現在4LDKに住んでいますが、一人一部屋ずつ欲しいです。長女は玄関側の洋室を使い、リビング横の和室をフローリングにリフォームして下の娘の部屋にしています。あと一部屋は、物置になっています。

Hさん
4人家族(子ども:大学3年生の娘、大学1年生の息子)
角部屋のため居室の壁部分が少なく、棚などの収納を配置しようにも置き場所に悩みます。

■子どもが独立しているご家庭

Iさん
2人家族(子ども:独立した娘)
元々3LDKをリフォームして、2LDKにしています。一部屋は娘の部屋です。娘は一人暮らしをしていますが、娘の部屋をつぶして他に使うわけにはいきません。先日、娘が婚約者を連れて帰ってきました。そうなると就寝してもらう場所がなくて、リビングで寝ていただきました。

 

2. 叶えたい住まいへの要望

家の間取りに可変性があると想定して、叶えたい住まいへの要望を伺いました。

■小学3年生以下の子どもがいるご家庭

Aさん
リビング横に、子どもだけではなく大人も一緒に横になれる、お昼寝スペースがキッチンから見える場所に欲しいです。夏冬でお昼寝スペースを変更したいので、部屋ではなくスペースがいいです。扉はお昼寝の時だけ、閉められるような形状だと、良いなと思います。
子どものプレイスペースには、おもちゃ収納用の家具を置きたいです。家具は備え付けではなく、ライフステージに合わせて、自分で用意します。
自由度が高ければ、子どもが好きな使い方を発見してくれると思うので、余白を残したスペースを作りたいです。その時には、子どもの手の届くところに電気のスイッチがあると助かりますね。

Bさん
廊下からも洋室からも出入りができる大型収納を作りたいです。扉を増やすとその分収納量が減るので、作るなら出入り口は1つがいいかもしれませんね。
小学1年生の子どもには、まだ机を買っていません。子ども部屋を作れたら、机の付いたロフトベッドを設置したいです。下の子のことは、必要になった時に考えます。
家具をあまり置きたくないので、各部屋にクロゼットは欲しいですが、クロゼットがあることで、動かせない壁が増えて、間取りの可動式の良さがなくなってしまうのではないかと気になります。
思春期になっても会話のきっかけができる様に、リビング横の洋室との間は、壁ではなく開閉式だといいです。

Cさん
ピアノがあるので、子ども部屋をどうするか悩みます。今はダイニングテーブルで勉強していますが、食事の時間と被ると、ソファーの前のテーブルで勉強することもあります。リビングに机を置いて、仕切らないで勉強スペースを作れるといいですね。
小学校低学年の間は、リビング横の8畳の洋室を子ども2人で使う方が広く使えると思います。窓がない部屋ができると、不公平感があるので、2人で一部屋がいいですね。
今は一部屋に布団を4枚並べて引いて、家族4人で寝ています。スペースがいっぱいになるので、扉が布団に引っかかることもあります。壁が動かせるなら、寝室を広くして、ベッドを4つ入れて、就寝のためだけの部屋にするのもいいですね。
一か所に収納を集約した大型収納も作りたいです。集約することで、収納の空き状況が把握できていいと思います。ここまでが誰のスペースというのが、はっきり分かるので、収納量の見える化ができそうです。

Dさん
子どもはダイニングテーブルで勉強することも多いですが、子どもが使うには、テーブルの高さと椅子の高さが合っていなくて、正しい姿勢で勉強ができません。今は、プラスチックの簡易的なテーブルと椅子を買って、ダイニング以外でも勉強ができるようにしています。子ども用の勉強机を買う予定もあるので、壁を動かせるならリビングの一角に勉強スペースを作りたいです。
今は、私と子どもがダブルベッドで寝て、夫はリビングのソファーで寝ています。ゆくゆくは、3人別々の部屋で寝たいと思っているので、1部屋を3つに分割して、シングルベッドを置きたいです。
大型収納を作ることには、あまり魅力を感じません。布団や掃除道具が一緒だと衛生面が気になるし、雑貨も一緒なのは嫌です。布団には防虫剤を入れたいけれど、雑貨には防虫剤を入れたくないというのが理由です。布団と洋服だけの大型収納なら欲しいですね。

■小学4年生以上の子どもがいるご家庭

Eさん
子どもが、6年生になったので、玄関側の洋室を子ども部屋にしたいです。部屋にはシングルベッド、机、ハンガーラックぐらいが置ければ十分。他の子ども達も中学生になるころには、個室を与えたいですね。テレビの音が気になるので、リビング横の洋室ではなく、玄関側に子ども部屋を2部屋設けたいです。窓がない部屋ができても大丈夫です。
リビング横の洋室は、夫婦の主寝室にしたいです。

Fさん
リビングが狭いので、ソファーを置かず、ダイニングとソファーが一体になっているテーブルセットを使っています。
寝室はリビング側にして、玄関側に娘の部屋。狭くてもいいからテレワーク用の部屋も欲しいです。中学生ぐらいになると、子ども部屋はリビングから離れた方がいいと思います。リビングに置いていたピアノを、リビングが手狭になってきたので、一番広い部屋を使っている娘の部屋に置きたいですね。
ファミリークロゼットなら、家族の洋服を1箇所にまとめられ、家事効率も良くて助かりますが、大型収納となると、日用品と洋服を一緒にしまうことに、少し抵抗があります。
今は布団で就寝していますが、主寝室ができたらベッドにしたいので、布団収納はいりません。来客時には、布団のレンタルを利用します。

Gさん
寝室は寝るだけなので、4畳の部屋にシングルベッドを2つおいて、ベッドに飛び込む形で十分です。寝室に加湿器を置くと、寝具などの湿気が気になるので、何も置きません。
子どもが、中学生になったら子ども部屋を与えたいですね。小学生のうちは、リビング学習。寝るときは、親と一緒でいいと思います。子ども部屋には、空間利用も考えて、ロフトベッドを置くと思います。
大型収納は、掃除機などを収納できていいと思いますが、掃除機と洋服は一緒に入れたくないです。布団は、収納ケースに入れるので問題ないです。普段使いの洋服は、各部屋にハンガーラックなどがあればいいですね。

Hさん
子どもたちは大学生になりましたが、受験の時期を迎えるまでは、リビングに机を置いて勉強していたので、親はヘッドフォンを付けてテレビを見ていました。子どもが勉強しているのを、確認していたというのもありましたね。大学生になった今だと、玄関側に子ども部屋を設置したいです。
限られたスペースを効率的に使うには、壁面収納などで天井までのスペースを立体的に使える収納がいいと思います。

■子どもが独立しているご家庭

Iさん
主寝室の前を人が通るのは嫌です。そのために角部屋を選んできましたが、人の気配を感じない間取りや、もしくは主寝室の窓に工夫をしてもらえれば、共用廊下側の寝室でも大丈夫だと思いました。
ソファーはごろごろする場所として考えているので、ダイニングからも食事をしながら、テレビが見える間取りや家具の配置にしたいです。
家具ではなく本棚などで仕切られたワークデスクの置ける1畳ほどのコーナーが欲しいです。WEBミーティング時だけ閉ざせるようになっていると嬉しいです。
大型収納は、季節家電などを収納するにはいいですが、家族それぞれのモノは各部屋に収納したいですね。子ども部屋にはベッドを置きたくなかったので、布団を利用していました。布団の収納場所があると助かります。

 

座談会を終えて

今回の座談会では、子どもの成長や家族のライフスタイルの変化に合わせて、欲しい間取りが変わることがわかりました。例えば、子どもが小学校低学年のうちはリビング学習、子どもが大きくなると玄関側の洋室を子ども部屋にしたいなどは、その1つかと思います。
また、大型収納を作るならば布団や洋服と掃除道具類は分けて収納したい、扉や壁の工夫で家族の気配がわかる間取りにしたいなど、今すぐにでも叶えたい共通の要望があることもわかりました。
ライフステージの違う方々に希望の間取りを聞いたことで、5年後の希望の間取りは、5年後のライフステージと同じ人が、今希望している間取りと同じことが分かりました。そのことから、夫婦2人、子どもの成長、子どもの独立とライフステージに合わせて間取りの形状が一巡していることが分かりました。可変性のある住まい=ずっと住み続けられる住宅ということではないでしょうか。

アンケートや座談会にご協力いただいた方のご意見を参考に、引き続き、住まう人が住みやすい可変性のある間取りを実現できるように、研究を続けていきたいと考えています。