テーブルクロスのある暮らし

DemKat / PIXTA(ピクスタ)

クリスマスやお正月この時期は、親しい友人や家族を家に招いて、食事や会話を楽しむ機会が増えます。みなさんは年末に向けての時間を、どのように過ごしますか?
せっかくゲストを招待するのだから、食事のメニューはもちろん、ダイニングのしつらえも、いつもとは少し変化させておもてなしをしたいもの。家のしつらえを整えるのに、壁紙や家具を変えるなどたいそうなことは簡単にはできませんが、部屋の雰囲気を変えるのに、まずはテーブルクロスを生活に取り入れてみるのはいかがでしょうか。

 

テーブルクロスの歴史

テーブルクロスの歴史は定かではありませんが、11世紀に十字軍によってマナーやエチケットが広められる頃にはあったといわれています。
この頃は貴族であってもきちんと確立したテーブルマナーはなく、テーブルに並べられるカトラリーはナイフのみ。あるいはナイフとスプーンのみで、まだフォークは登場していません。すべての料理は一度にテーブルに並べられ、肉や魚の塊は大皿に盛りつけて出されました。それを主人(ホスト)が大きなナイフで切り分け、人々はそれを分け合って、手づかみで食べていました。この手づかみの食事作法は、王侯貴族でさえ例外ではありません。
パンはテーブルクロスの上に配られ、スープやソースなどの液体はパンに浸して食べ、汚れた手はテーブルクロスで拭くという具合。テーブルクロスは、パンのお皿であり、ハンカチの役割をしていました。
その後、13世紀になると本格的なテーブルマナーが確立され、テーブルクロスが貴族の間で高貴なマナーとして扱われ、食卓を彩る重要なアイテムへと変化していきました。
日本に入ってきたのは、ずっと後の明治時代。イギリスとの交流が始まってからのことです。

 

食卓のしつらえを決める

皆さんのお宅には、テーブルクロスを変える習慣がありますか?
ダイニングテーブルは部屋の中に占める面積も大きいので、テーブルクロス1枚でダイニングの雰囲気をガラリと変えることができます。カーテンは洗濯をして、掛け替えてと手間がありますが、テーブルクロスなら簡単です。

テーブルクロスは食卓の雰囲気を決めるので、食器に合わせて料理を考えるように、クロスに合わせて「どんな料理を作ろうか」と献立を考える楽しみも生まれてきます。お正月やクリスマスといったシーンによっても作りたい食卓の雰囲気は異なりますし、お迎えするゲストの顔を思い浮かべて、どんな雰囲気の食卓を作ろうとか考える時間は、とても豊かな時間です。

テーブルクロスを使うのはなんだかかしこまっている雰囲気もありますが、日頃から朝夜と変えている家もあると聞きます。もちろん余裕があればでいいのですが、毎日テーブルクロスを変える習慣を自分の中に持つことで、食事の時間が楽しくなることはもちろん、テーブルの上に物を置かなくなり、部屋の中も整います。テーブルの上にパソコンや手紙などのモノが増えてきたら、それは自分の余裕がなくなっている時とも言えそうです。

年末に向けて、楽しみが増えるこの季節。テーブルクロス一枚からのしつらえを、皆さんもぜひ楽しんでみてください。

 

ミニアンケート

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