建物の品格を表す玄関

【フージャースの建築めぐりvol. 02】エントランスアプローチ編

フージャースでは、多くの人の「欲しかった暮らし」を届けたいという想いから、住まいづくりをしてきました。このシリーズでは、普段はあまり意識することがない、建物づくりにおける細部へのこだわりを紹介していきます。

今回のテーマは、エントランスアプローチです。
エントランスアプローチとは、マンションの正面玄関に至るまでの通路のことです。これは、玄関と同じく、マンションの顔として建物全体の品格を表します。敷地の形状や道路との接し方によって、その趣は異なりますが、常に住まいに安心や癒し、愛着が感じられるデザインを、心がけています。

そのために、エントランスアプローチのデザインには、「引きをとる(道路からからエントランスまでの十分な奥行きを設けること)」、「大きく構える(エントランス部分に幅を持たせ、大きく立派に構えること)」という2つのポイントがあります。

ところが、敷地の形状や大きさ、建築基準法の制限で、引きをとって大きく構えることができない物件もあります。

ここでは、建築担当のエントランスアプローチの工夫を、造り手の目線で紹介していきます。

 

十分な引きと構えが取れている例

敷地形状や法規制により道路から十分な距離がとれる場合は、ここで紹介するような引きを活かしたアプローチを作ることができます。引きには、大きな建物を目の前にした時の圧迫感を、解消する役割があります。建物の前に十分な空間がとれていることで、植栽を植えたり、ベンチを設けたりして、豊かなアプローチ空間を形成しています。

デュオヒルズ東川口ザ・ファースト
埼玉県川口市 2018年12月竣工

引きと構えを大きく取り、エントランスの庇(ひさし)も前に大きく張り出しています。建物全体を引いて、圧迫感を解消し、気持ちのよいアプローチとなっています。

デュオヒルズ四日市鵜の森
三重県四日市市 2021年2月竣工

道路から十分な引きがとれていることで、引きの部分に植えられた植栽がアプローチを彩り、目を楽しませてくれます。

 

引きをとる工夫をした例

パターン1
建物が接する道路と建物との間に直線的な引きが確保できない場合に、アプローチ動線をクランクさせて、引きの空間をつくる方法があります。
敷地の端から入り、大きく曲がってエントランスに向かい、入り口までの距離を確保することで、引きが感じられるようにしています。
また、エントランスの庇と連続させてゲートを構成することで、大きな構えをつくり出しています。

デュオヒルズ城山
鹿児島県鹿児島市 2018年11月竣工

右に曲がってエントランスに向かうアプローチです。敷地いっぱいにゲートを設け、構えを大きく見せています。

デュオヒルズ平月見町
福島県いわき市 2019年6月竣工

左に曲がってエントランスに向かうアプローチです。

 

パターン2
建物の位置を道路から十分離すことができない場合に、エントランス部分の壁面を外壁線(建物の外壁の位置)より後退させて、引きの空間を確保する方法があります。

デュオヒルズ大府 ザ・レジデンス
愛知県大府市 2020年8月竣工

1階のエントランス部分の壁を大きく外壁線より離して、建物の中に引きの空間を設けました。その結果、白い石張りの外壁は大きな門型の構えとなっています。

引きの空間は、車寄せとなっており、雨の日の車の乗り降りにも最適です。

1階平面図(一部)

デュオヴェール氷川台
東京都台東区 2020年9月竣工

マンションの入り口は、左の自動ドアのところですが、これだけでは構えが小さくなってしまいます。そのため、白い部分のゴミ置き場の壁と右側の通路部分を、合わせて構えが大きく見える工夫をしました。また、白い壁面は外壁より後退させ、自動ドアを奥に設けて、わずかでも引きを確保しました。
この様にほとんど引きが取れず、エントランスの幅が狭い場合も、少しでも構えと引きをとることを意識しています。

1階平面図(一部)

敷地の形状や道路との接し方によって、マンションのエントランスアプローチのデザインは様々です。どんな敷地であっても、お住まいの方が気持ちよく出かけて、そして安心して帰って来られるように、建築担当は工夫を凝らしたエントランスアプローチをデザインしています。

シリーズ記事
【フージャースの建築めぐり】
vol. 01植栽編「季節の移ろいを感じる木のある暮らし」