“永く暮らし続けられる街”を目指して
「デュオヒルズ蘇我ザ・スカイ」「デュオセーヌ千葉蘇我」
【フージャースの建築めぐり】建築担当の裏話編

「フージャースの建築めぐり」シリーズの「建築担当の裏話編」では、作り手の思いや苦労した点など、広告やパンフレットでは知ることができないエピソードを紹介します。
フージャースのモノづくりに対するこだわりを感じていただけるかと思います。
ファミリー向けとシニア向けマンションの一体開発

フージャースでは千葉市中央区で、ファミリー向けの「デュオヒルズ蘇我ザ・スカイ」とシニア向けの「デュオセーヌ千葉蘇我」の一体開発プロジェクトを行いました。今回は全体の計画や外構を中心に、モノづくりのポイントについて物件担当者が語ります。

建築担当者の紹介
フージャースコーポレーション
穴井 祥一郎(あない しょういちろう)
多世代が交流する住環境の創出を目指し、一定のプライバシーを確保しつつも交流の場と居場所を提供する新たな共同住宅のあり方を考えました。既存樹や高低差など、この土地がもともと持っていた魅力を生かしたランドスケープにもこだわっています。
ちょうどいい距離感をつくる
今回のプロジェクトは、ファミリー向け分譲マンション「デュオヒルズ蘇我ザ・スカイ」と、シニア向け分譲マンション「デュオセーヌ千葉蘇我」を一体開発した、総戸数407戸の大規模なものでした。ファミリー向け住戸のみで計画することもできましたが、あえてファミリー向けとシニア向けマンションを作ることを選択しています。
フージャースの「ソーシャルデベロッパー®へ」という理念のもと、「永く暮らし続けられる街へ」を全体のコンセプトに掲げ、この土地の価値を最大限に生かしながら、多様な世代が自然に共存できる環境を目指しました。異なるマンションを開発する場合、それぞれの敷地をフェンスやセキュリティラインによって明確に分けるのが一般的です。しかし本プロジェクトでは、それぞれ独立した建物でありながら、境界を強調しない一体的なデザインとしています。
もちろん、ファミリーとシニアでは、求める暮らし方が異なる部分もあります。ファミリー側には子育て世代ならではの賑わいがあり、シニア側には穏やかに暮らしたいという思いもあります。そのため、無理に交流を促すのではなく、自然な距離感を保ちながら共存できる環境づくりを重視し、外部の公園のリニューアルにも取り組みました。
既存樹から始まった計画

この土地は、かつて研修施設があった場所で、敷地の中央には大きな椎の木がありました。私たちは、まずこの木を残すことに決め、そこから建物配置やランドスケープ計画を考えていったのです。この木の辺りがファミリー棟とシニア棟それぞれの中心になるので、ここに「ツリースクエア」という広場を設けました。大きく枝を広げた木は、夏には木陰を作ってくれます。

物件から徒歩3分のところには宮崎公園があります。元々は複数の遊具とベンチがある公園でしたが、その利用率はあまり高くなく、遊具のある一部のエリアを小学生が利用している程度でした。本プロジェクトを進めるにあたって、公園全体を幅広い世代の多くの方々に楽しく気持ちよく利用していただけるよう、公園を管理する千葉市に働きかけ、企業版ふるさと納税による寄付を通じてリニューアルに関わらせていただきました。
交流の場をマンション敷地内だけでなく外にも設けることで、お住まいになる方それぞれが望む関わり方ができ、心地よい距離感で交流できると共に、地域交流の場としても位置付けています。
公園に関する記事はこちら
https://www.hoshikatta-kurashi-lab.com/archive/?_sft_tag_area=soga
中ではなく、外に居場所をつくる
ファミリー向けマンションでは、キッズルームやパーティールームなどの共用施設を充実させるケースも多くありますが、今回は土地の広さや高低差を生かし、建物の外に子どもが遊んだり、人が集まったりできるような居場所をつくることを考えました。

その一つが先述した「ツリースクエア」で、その近くに「ミストスクエア」という広場も設けました。植え込みの一角に設置したセンサーに手をかざすと数十秒間ミストが噴き出す設備を埋め込んでおり、夏場には子どもたちが楽しめる場になります。どちらの広場も消防活動空地として確保する必要があったスペースで、消防活動の支障となるものを一切設置できなかったため、それを逆手にとりミスト装置を地面に埋め込み、一見遊び場には見えない設えとしています。いつも何気なく通っている場所が実は遊び場だったという発見も含めて、一つの遊び体験になることを狙っています。

ファミリー棟のエントランスへ向かう大階段も象徴的な空間の一つです。まるでステージのような大階段を背景に、入学式や卒業式など、人生の節目にここで記念撮影をする風景を思い浮かべながら設計しました。
シニアの暮らしも考えて


一方で、シニア向けのデュオセーヌのラウンジやレストランなどの共用部はこの広場とは敢えて離した逆側に計画しています。広場に面したラウンジも交流を促す上ではアイデアの一つかもしれませんが、過度に交流を促す計画としないことで一定の距離感を保ち、シニアの静かな生活を担保しています。

敷地には最大約10mの高低差があり、その地形を活かして設けた場所もあります。低いところに設けた「パークスクエア」は、雑木林や小径、芝生を配した広場で、子どもたちが駆け降りられるような斜面もあります。
また、赤い塀に沿った通路はデュオヒルズ蘇我ザ・スカイの敷地ですが、ここに地役権を設定することでデュオセーヌ千葉蘇我の居住者の方が通行できるようにし、その先にデュオセーヌ千葉蘇我居住者専用のエレベーター棟を設けることで、約8m程度の高低差を解消しシニアの方の移動のしやすさにも配慮しました。
この土地の特徴の一つでもあった高低差はシニアの方にとっては生活上のネックになりますが、子供にとっては良い遊び場。この「パークスクエア」は、そのネックを解消する場であるとともに、先ほどの広場とラウンジの関係とは異なり、シニアと子どもたちの接点が生まれる場所となりますが、その接点を通過動線に持つことで、適度な距離感が生まれることを期待しています。

パークスクエア上に設けた「パークデッキ」では、遊ぶ子どもたちを見守ったり、くつろいだりすることができ、これも敷地の高低差処理のために新設した擁壁により生まれたスペースを生かしたものです。
永く暮らし続けられる街へ
本プロジェクトでは、単に異なる世代向けの住まいを並べるのではなく、それぞれが自然な距離感で共存できる環境づくりを目指しました。多世代交流や地域交流は生活を豊かにする一方、常に交流を求めるのではなく、適度な距離感を望む声も多いと想像します。既存樹や地形、近隣の公園など、この土地・地域がもともと持っていた魅力を生かし、人が自然に集まり、思い思いに過ごせる場所を敷地の内外に散りばめています。居住者同士・地域住民同士が無理なく同じ風景を共有しながら、永く愛着を持って暮らせる住まいとなることを願っています。

デュオヒルズ蘇我ザ・スカイ
https://www.hoo-sumai.com/duohills/soga/
所在地:千葉県千葉市中央区
交通: JR京葉線・外房線・内房線「蘇我」駅より徒歩11分、京成千原線「千葉寺」駅より徒歩8分
総戸数:263戸
階数:9階建て
竣工: 2026年2月

デュオセーヌ千葉蘇我
https://www.duoscene.jp/soga/
所在地:千葉県千葉市中央区
交通:JR京葉線・外房線・内房線「蘇我」駅舗より徒歩12分、京成千原線「千葉寺」駅より徒歩9分
総戸数:144戸
階数:7階建て
竣工: 2026年2月