LDKでの過ごし方に関する座談会を終えて

私たちは、コロナ禍において、キッチン・ダイニング・リビングで、皆さんがどのように過ごし、コミュニケーションを取るのかをお伺いする「LDKでの過ごし方」のアンケートを8月に行いました。そして、結果と考察は3回に分けて、この「欲しかった暮らしラボ」で報告しました。

【結果】LDKでの過ごし方(キッチン編)」(2021年10月1日掲載)では、家族で家事をすることが定着してきていることや、キッチンが家族のコミュニケーションの場でもあることがうかがえました。また、手の込んだ料理でなくても自分で食事を作り、家族で食卓を囲む時間を大切にしたいこともわかりました。
【結果】LDKでの過ごし方(ダイニング・リビング編)」(2021年10月8日掲載)では、約7割の人がダイニングよりもリビングを広くとって生活をしていました。ファミリー世帯単体で見ると、自宅にソファを置かずにダイニングテーブルを置いている人が13.1%おり、リビングではなくダイニングテーブルを中心とした暮らしをしている家庭が、一定数いることがわかりました。
【結果】LDKでの過ごし方(くつろぎ・コミュニケーション編)」(2021年10月15日掲載)では、リビングではテレビを見ながらなど何かをしながらのコミュニケーション、ダイニングでは大事な話をするなど対面で顔を合わせてのコミュニケーションをしていることがわかりました。大きなダイニングテーブルに人数分の椅子があれば、食事の時以外でもダイニングを中心に、リラックスしながらコミュニケーションをとる形もあるのではないかと思いました。
今回実施したアンケートの結果も参考にして、「家族とつながるキッチンダイニングのあるLDK空間」を考えました。そして、私たちが考えた間取りプランは、お客様が求めていることを反映しているかを知るために、10月21日から計4回にわたって「LDKの過ごし方に関する座談会」を開催しました。今回はその内容を紹介します。

座談会の目的
ダイニングスペースは「食事」、キッチンは「料理」と決まった行動をする場所だけではなく、リビング同様にくつろぎやコミュニケーションの場となっている。家族とのコミュニケーションやくつろぎの場所を、キッチンダイニングを含めたLDK全体のプランとして見直したい。
またそれを反映させた「センターキッチン」プランにご意見を頂き、実装に繋げたい。

実施日
2021年10月21日(木)、10月23日(土)、10月30日(土)、11月11日(木)の計4回。各グループ1時間半程度。

参加者
30代~60代の男性1名、女性8名の計9名の方にお話を伺いました。

座談会の内容
座談会の中から、下記の2点について参加者の声をご紹介します。
1. キッチンでのコミュニケーションについて
2. コミュニケーションをとる場所について

 

1. キッチンでのコミュニケーションはどのようなものか教えてください。

Aさん
3人家族(子ども:小学1年生の息子)
年に数回ほど、息子が料理をしたいと言った時に手伝ってもらっています。息子のやる気次第なので、「餃子だけどやる?」と聞いて、気分が乗っている時は一緒にキッチンで作業をします。積極的に教えようとしてもダメなんです。

Bさん
3人家族(子ども:2歳半の息子)
家のキッチンはアイランド型です。立ち飲み屋みたいに、キッチンで料理を作り、カウンターの向こうで飲んでいます。料理しながら、食べながら、飲みながら、座って飲むより楽しいです。夫も料理はしてくれます。

Cさん
3人家族(子ども:4年生の息子) 男性
狭いので、二人でキッチンに立つことはありません。妻と子どもは一緒に作ったりしていますが、私が作ったものは、あまりおいしいとは言ってくれなくて。

Dさん
4人家族(子ども:7歳と10歳)
週に2・3回ぐらい、夫婦でキッチンを使っています。夫が、4月まで単身赴任だったんですが、戻ってからは食器の片づけをしてくれるようになりました。子どもは、習い事がない時に、野菜を切ったり混ぜたり、手伝いをしてくれます。

Eさん
4人家族(子ども:小学4年生、中学2年生の娘2人)
朝食は私が用意しますが、夕食の時間帯に、子どものスポーツの関係で外出することが多いので夕食は夫が用意します。片付けや翌朝の準備も夫がしています。学校が休みの時には、昼食を子どもと一緒に料理をすることはあります。

Fさん
2人家族、(子ども:なし)
夫婦で一緒に料理を楽しんでいます。夫が休みの時に、夫が手伝っているという気分になれるようなお昼、例えば焼きそばとかを、一緒に作っています。

Gさん
2人家族(子ども:なし)
キッチンでの会話は、日常会話ぐらいです。休日は、夫が料理をします。他に洗濯以外の家事全般をしてくれます。配膳などの準備は手伝いますが、料理は調べながら楽しそうに作っています。平日は私、休日は夫と完全に分担しています。

Hさん
2人家族(子ども:独立した娘)
専業主婦ですが、手順よく料理をするのが苦手で、「出来る人がやればいいよ」と夫が料理をしてくれます。片付けは私がします。夫は何でも手順良くできるのですが、直ぐに食器を傷付けてしまうので、気になって仕方ないです。

Iさん
1人暮らし(実家には、両親と兄家族)
実家に帰った時は、姪や家族と一緒に料理をします。お酒飲みながら料理をすることが多くなりました。元々週2・3回飲みに行ってましたが、 家での食事を楽しめ、居酒屋気分が味わえるように、家電や調味料を買ったり、Instagramを見てキッチンをオシャレにリメイクしたり、楽しんでいます。

 

2. コミュニケーションをとる場所について教えてください

Aさん
LDを一つの空間として使っていることもあり、過去の住まいを見ても、ダイニングで会話をしていたことが多いです。意識して会話する時や家族会議もダイニングです。「よし、今から会話しよう」とリビングに集まりはしないです。

Bさん
子どもが小さいので、リビングで子どもと遊びながらのコミュニケーションが多いです。

Cさん
子どもの宿題を見たり、大事な会話はダイニング。普段は、それぞれ好きな格好で床でくつろぎながらコミュニケーションをとっています。

Dさん
子どもの表情がさえない時や大事な話をする時は、顔を合わせてダイニングで話をしています。夕食後のくつろいでいる時に、テレビを消して会話することもあります。子どもが暇そうにしている時は、一緒に漫画を見たり、お茶を飲んだりしながら、好きな場所で会話をしています。

Eさん
子どもが大きくなったので、食事の時間もバラバラです。一番コミュニケーションが取れるのは、家族全員で車に乗っている時です。子どもが小さい時は、一緒にお風呂に入った時や、食事の時にダイニングで話すことが多かったです。

Fさん
LDの区分けがなく、一つの部屋という感じなので、ながらの会話で十分な内容か、顔をみながら話したい内容かで、どこで話すか変わります。

Gさん
ダイニングとリビングは一体で使っていますが、どちらかというとリビングです。

Hさん
リビングとダイニングはつながっています。座っている時間はダイニングの方が多いです。

Iさん
家族で食事やお酒を飲みながら、ダイニングでのコミュニケーションが多いです。

 

座談会を終えて

皆様の意見を通して、リビングには、全員が座れるソファというより、くつろげるスペースが重要であること。キッチンは収納が足りなくて、広い収納スペースを求められていること。またキッチンに複数の人がいると、冷蔵庫からの出し入れがしにくいなど、キッチンの通路に余裕がないこと。ダイニングは、家族構成や来客頻度によっても異なりますが、食事スペースだけではなく、勉強・作業の場としても使われていることが、再認識できました。
リビングは「コミュニケーション」、ダイニングは「食事」、キッチンは「調理」という区別がなくなりつつあり、LDKを一体として考え、会話の内容によってコミュニケーションをとる場所を変えていることもわかりました。
家にいる時間が増えた昨今だからこそ、家族にとって居心地のいいスペースが重要となっています。今日は家族だけのホームパーティ。みんなで料理して、ダイニングでのんびり食事。そんな日常があってもいいなと思います。

「家族とつながるキッチンダイニングのあるLDK空間」のセンターキッチンは、家族がコミュニケーションをとる場所が変化しつつあることを考え、LDKを一つの空間ととらえています。住宅を提供する私たちが、LDKの考え方を柔軟にすることも大事だと考えています。
頂いたご意見を参考にしてセンターキッチンのプランの精度を高め、実際の物件でのお披露目に向けて準備をすすめていきます。

 

ミニアンケート

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