マンションのエントランスラウンジに関する座談会を終えて

今回は「マンションのエントランスラウンジ」をテーマに、日頃のラウンジの利用実態と使いづらい点や使わない理由を調査しました。結果は、8月に「欲しかった暮らしラボ」で報告しています。

【結果】マンションのエントランスラウンジに関するアンケート」(8月16日掲載)

今回実施したアンケートの結果から、エントランスラウンジが使いにくい、使わない理由として4つのキーワード「居心地・視線・子ども・マナー」が出てきました。それぞれの代表的なコメントは以下です。

居心地:くつろぐための家具がない、ラウンジより家でくつろぎたい
視線:通行人の視線が気になる
子ども:子どもが装飾品を壊しそう、子どもが騒ぐ
マナー:利用マナーが良くない

これらのキーワードをもとに、居心地がよく、利用されるラウンジにするためのヒントを直接伺おうと、9月22日から計4回にわたって「エントランスラウンジに関する座談会」を開催しました。今回は、その内容を紹介します。

座談会の目的
アンケート結果から、ラウンジを利用する人の割合が3割以下と低いことや、当初企画設計した意図通りにラウンジが使われていないことなどから、どのようにすれば使われるラウンジになるのかを検討する。
私たちの考える新しいラウンジは、受け入れられるのかを伺う。

実施日
2022年9月22日(木)、10月1日(土)2回、3日(月)の計4回。各グループ1時間半程度。

参加者
20代~70代の男女、計9名の方にお話を伺いました。

インタビュー内容
座談会の中から、下記の2点について参加者の声を紹介します。
1)ラウンジの利用実態
2)ラウンジの利用ルール

 

1)現在、マンションのラウンジを利用していますか

Aさん 5人家族、(子ども:年少、小学3年生、小学6年生)
ラウンジは、小学校が終わると子どもたちの遊び場になっています。ゲームをしている子が多いです。
仕切りがないので利用するには視線が気になりますね。基本的にラウンジを使うことはありません。

Bさん 3人家族、(子ども:小学2年生)
ラウンジは小学生の登校班の待ち合わせの場になっています。登校班の様子を物陰から見ているので、仕切りなどがない今の見通しのいい状態は、とても助かっています。
午後は、習い事などをしている子どもが多く、ラウンジで子どもが遊んでいる姿は見たことがありませんね。

Cさん 4人家族、(子ども:18才と4才の息子)
使う機会は、理事会ぐらいしかありません。ラウンジで何かするイメージもないし、座っていると通る人の視線が気になります。
時々、中高生がラウンジに座って会話していますが、マナーはいいですよ。長男が小さいときは、クリスマス会などもありましたが、今はコロナで全くイベントをしていません。

Dさん 2人家族、(子どもなし)
実は、マンションを買う予定はなかったのに、このマンションに感動して思わず買いました。数回ラウンジに座って、お茶を飲んだことがあります。ホテルのロビーのようなラウンジがとても好きで、通るたびにこのマンションにして良かったと確認する場所でもあります。
子どもが集まって遊ぶようになると残念です。いつまでも綺麗に保ってもらいたいなと思っています。

Eさん 2人家族、(子どもなし)
うちのマンションには、ラウンジと言えるスペースがありません。
ラウンジのあるマンションに住んでいた時でも、長時間使っている人を見たことがないし、使ってもスマホを操作するぐらいですね。ラウンジがなくても、困ったことはありませんね。

Fさん 2人家族、(子ども:独立)
使うのは、仕事関係で短時間の来客時が多いです。広いスペースのラウンジなら、気にはならないのでしょうが、狭くてオープンなスペースでは、会話が聞こえるのではないかと気になります。パーテーションなどの仕切りがあると、違うと思います。

Gさん 2人家族、(子ども:独立)
ラウンジは、ほとんど使っていません。使うのは待ち合わせなど時間をつぶす必要があるときで、誰もいないラウンジに座っています。
ラウンジは、イベントの時に使うとか、災害時の避難場所の役割もあるので、個人的に使う場所ではないと思っています。

Hさん 2人家族、(子ども:独立)
来客対応の場として使っていますが、飲み物も出せないので、30分程度の会話しかしません。小学校の下校時刻まではガラガラですが、下校時刻を過ぎると子どもが沢山遊んでいます。子どもが好きなので、私も一緒に座って子どもが遊んでいるのを見ています。時には会話もしますね。子どもといると、とても楽しいです。

Iさん 2人家族、(子ども:独立)
エントランス入るとすぐガラス張りのラウンジで、受付の人がいる前で、外からも見えるので、視線が気になって使わないです。
夕方と土日は、子どもの遊び場になっています。大人が打ち合わせなどで使っているのは見たことがありません。

 

2)ラウンジの利用ルールを設けることについて

・利用ルールが、よくわからない。
・ルールは、マンションごとに後で決めた方がいいです。使う前から細かく決められているのはどうかと思う。最低限のルールがあればよくて、飲み物などは、住人の使い方で決めてもいいのではないか。
・細かなルールを作っても、守られるか懸念点が多いです。
・軽飲食は禁止がいいです。子どもはドリンク可だと、お菓子を持ち込んでしまいそうです。子どもが使った後は、ソファーもザラザラだったりするので、飲食はしてほしくないです。
・曖昧なルールにしておくのでよいと思います。ルールを決めすぎると、反対意見のクレームが出たり、使用する人が減ったりするのではないでしょうか。
・禁止事項を作るより、最低限のルールのみ定める方がいいと思います。例えば、飲み物は蓋つきなら良いとか。
・昨今の事件などを考えると、子ども一人で遊びに行かせることが心配です。管理事務室から見えるとか、安心できる場所に子どもスペースが欲しいです。
・ホテルのようなラウンジを希望するので、くつろぐことに対してルールを設けることに抵抗感があります。

 

座談会を終えて

アンケートや座談会でのお話を伺って、ラウンジに見栄えを期待する声も根強くあることがわかりました。マンションに住む方々の家族構成や、ライフステージ、住む地域によっても、ラウンジに求めるものが違います。
一方アンケートでは、カフェのようなラウンジや、カジュアルなラウンジを求める人も多くいたのも事実です。(「気軽に利用できる居心地の良いカフェのようなラウンジ」40.0%、「センスのあるインテリアが置かれた、気軽に利用できるカジュアルホテルの様なラウンジ」22.7%)

子どものラウンジ利用に関しては、そこに住む家族構成や地域の教育環境によっても大きく変わります。子どもの多いファミリー層向けのマンションであれば、ラウンジの他に子どもスペースの検討も必要です。これについて、座談会で「ラウンジとは別に子どもスペースがあると、ラウンジは静かな空間になる」という声もありました。大規模で十分な広さを確保できる場合を除いて、ラウンジの他に共用施設を設けることは難しいのも現状ですが、スペースを複数設けることは検討が必要かもしれません。

ラウンジでのマナーは、利用ルールがよくわからないことも影響しているように思います。ラウンジ全般の使い方のルールは、最低限のものが設定されていれば、あとは住人で決めていくというお声が多いように感じましたが、ルールが伝わりやすい工夫を考えていく必要もあります。

アンケートや座談会を通して、ラウンジの居心地には、「視線・子ども・ルール」の問題がポイントになるということが、良くわかりました。今後も、マンションの規模やそこに住まう人に合わせて「視線・子ども・ルール」の観点で、居心地の良いエントランスラウンジを企画していきたいと考えています。